赤鯱新報

プレミアリーグに先立ち、プリンスリーグも再開!富士市立との一戦は土壇場で追いつかれるドロー決着に。U-18プリンスリーグ写真レポート。

■プリンスリーグ東海第16節
2023年11月18日 13:00 KickOff トヨタスポーツセンター第二G人工芝
名古屋グランパスU18 3-3 富士市立高校
得点者:6’西森脩斗(名古屋)28’高橋伊吹(富士)44’神田龍(名古屋)60’西森脩斗(名古屋)75’高橋伊吹(富士)83’伊藤隼磨(富士)
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明日のプレミアリーグに先立ち、プリンスリーグ東海も約1ヵ月の中断から再開。名古屋U-18Bは富士市立高校との対戦に挑んだ。

約1ヵ月の中断を経てプレミアリーグWEST、そしてプリンスリーグ東海もこの週末から再開し、クライマックスへと突入する。18日はプリンスリーグ東海に参戦する名古屋U-18Bが富士市立高校をホームに迎え、第16節を戦った。前期はプリンスリーグ東海残留へ厳しい戦いが続いていたが、現状は7位と少しずつ順位も上昇。勝てば残留も見えてきたタイミングでの戦いではあったが、土壇場で追いつかれ引き分けに終えた。

前半6分、中原蒼空の突破からのクロスを西森脩斗が仕留めて先制。

「振り返ってみると常に自分たちがリードしている展開で」とキャプテンマークを巻いた西森脩斗が語ったように、確かに実力的にはしっかりと勝機を見出しながら戦えた試合ではあった。好調の中原蒼空の突破から前半6分に西森脩が先制すると、セットプレーから追いつかれたが44分に神田龍が勝ち越しゴール。これも中原のカウンターからのチャンスメイクで、このチームの大きな武器として背番号25は存在感を高めている。Aチームの石橋郁弥にも似たドリブル突破はカットインシュートもクロスもどちらも使える柔軟性があり、後方からのパスも彼を目がけたものが非常に多かった。

左サイドで何度も突破を決めた中原蒼空。そのキレは鋭さを増すばかり。

だが、「正直なことを言うと、前半の最後で自分が決めて2-1にしたところでいい形で前半が終われたし、このままいけるなと思いました」と神田が振り返り、「3点目が入って油断というか、『勝てるぞ』っていう気持ちになった選手が少なからずいたと自分は感じていて」と樋口がその感覚をさらに補足する。後半開始からも試合を押していたのは名古屋U-18で、中原の突破だけでなく右の神戸間那、岡本大和、さらには中盤の松嶋好誠も加わり攻勢を維持。何度も速攻から好機を生み出して相手を押し込み、60分にはコーナーキックのこぼれ球を西森脩が押し込んで3-1と富士市立を突き放した。あとはリードを活かしつつ展開をコントロールすれば、と思える内容だったが、このリードが名古屋U-18の動きをなぜか狂わせた。

全員で喜ぶ名古屋U-18B。3-1は決定的にも思えた。

3-1にして以降の名古屋U-18は簡単に言えばバタつき、特に守りの局面で統制が取れていないような場面が頻発。人はいるが後手に対応が後手に回ることも多く、自陣に押し込まれてはクリアも拾えず、という流れのままに75分にまたもセットプレーから失点。いずれもファーサイドへのクロスを押し込まれた失点には、「ファーサイドで4番の選手が大外回ってヘディングというのは1失点目で気づけていたにもかかわらず、コーナーキックの流れからまた失点してしまった」と樋口も反省しきり。この日のGKは中学3年の加藤直太郎で、190cmを超える長身ながらまだまだハイボールの処理には課題もあるが、奮闘は認められた。それよりも課題とすべきは混乱にも見えた時間帯を2点のリードを奪ってから作ってしまったこと。83分には後手に回った末に中央でのシュートをねじ込まれ、3-3の同点に追いつかれた。

観客にも深々と頭を下げる。試合展開に課題を残す勝点1だった。

交代も含めて名古屋U-18は勝ち越しに意欲を見せたが、一歩及ばず。失点を2に抑えられていれば、そもそも3-1の状況からもっとアラートにやれていれば、など「たられば」は様々浮かぶが、負けなかったことはひとつ収穫といったところ。次節の最下位・海星戦を迎えるにあたっても、勝点1はキープできたのは大きかったとも言える。「次節の相手も気持ち乗せて闘ってくると思うし、自分たちはそれ以上の熱量を持って闘っていかないと絶対に食われる」。西森脩の決意はチームの総意に違いない。アカデミー総力戦の様相でもあるプリンスリーグの戦いも、熱さを増してきた。

reported by 今井雄一朗

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