赤鯱新報

伊藤裕二監督(中部第一高校)「次の全国大会に向けての何かヒントが一つでも彼らにあれば、こんな嬉しいことはありません。こういった機会を設けてくださったグランパスに感謝しています」【練習後の中部第一高校・監督&選手のコメント】


Q:まずはプロの選手が教えてくれるこの機会について、感想を聞かせてください。
〇大嶽匠矢選手(キャプテン)
「本当に、プロの選手たちの技術であったり、技を肌で、身近で感じられることはなかなかないので。良い経験になりました」

〇下村駿季選手(GK)
「最初はそんなにアドバイスはなくて、練習から入っていったんですが、その練習にしてもプロのメニューを自分たちがやってみたら、やっぱり全然ダメで。自分たちが下手すぎて。そこがプロとの距離を感じました」

Q:今日習ったことでよく覚えていること、今後に生かしたい部分は。

大嶽「Jリーグでも活躍しているフロンターレの選手だったりもそうですが、今日の練習でも止める蹴る、という部分が大事なのだと実感しました。そこを意識していけば、どんなプレッシャーでもはがせていけると思うので。そこをうまくなっていければ全国でも通用すると思いますし、それに加えて気持ちの部分で負けてはいけないなと思います」

下村「練習の中であったんですが、クロスを上げる選手が入ってきた時の対応で、速いボールで来るところを自分がブロッキングにするのかインターセプトを狙うのか。その判断を練習に取り入れていきたいなと思いました。シュートストップの部分で言えば、今日の最後のフリータイムで三井選手はバンバン止めていたので、そこを今日は帰ってしっかり復習して。これからの練習に生かしていけたらなと思います」

Q:自分たち、チームとして今日をどんな感じに楽しみにしてきたのですか。

大嶽「本当に、グランパスの人が来るんだ!という感じで(笑)。普段と変わらない感じではあったんですが」

下村「同じですね。自分はちょっとソワソワもしましたが、いつも通りの練習という感じではいました」

Q:今日を糧に明日からの練習をどう変えていきたいですか。

大嶽「やっぱりプロの選手たちの練習をやってみて、自分たちはミスばかりで。将来の夢はまだほど遠いなと思いました。大津高校戦に向けて、そういう部分ができていないと大敗してしまうと思うので、そこはしっかり練習から意識して頑張っていきたいなと思います」

下村「先ほども言ったあの練習を取り入れていきたいですし、三井選手はずっと声を出していました。自分も声を出すのは得意なプレーにしていますので、そこは今まで以上に練習で意識したいと思います。ゴールに入った時の自分と三井選手の存在感が全然違うので、自分もたくさん練習をして、大津高校戦に臨んでいきたいです」

Q:今日の練習を終えて、選手権への気持ちでさらに高まったところはありますか。

大嶽「グランパスさんと大津高校さんはリーグが同じで、あのレベルじゃないと負けてしまうと思うので(苦笑)そこは先ほども言ったんですが、練習から意識して、まだ少し時間があるので、みんなで頑張っていきたいと思います」

下村「相手の方が圧倒的に格上なので、シュートも当然たくさん飛んでくると思うんですけど。そこはシュート練習の数を増やしていったり、自分のセーブの数を増やしていくことでちょっとでも勝ちに近づけると思っています。そういったシュートストップの部分を意識していきたいと思います」

Q:三井選手が挨拶の中で最後は気持ちだ、と。

下村「自分もキーパーなので、気持ちを前面に出してプレーするのは大事だと思っています。県大会でも自分たちの対戦相手は全部格上で、気持ちで登ってきたと思っています。大津高校戦でも県大会と同じように、それ以上の気持ちを出して戦って行けたらいいと思います」

大嶽「駿季も言ったように愛知県大会は格上の相手ばかりで、技術とか全くなしで、本当に気持ちの部分で勝てたから愛知県を優勝できたと思います。全国大会もそこは忘れずに、気持ちをぶつけて頑張っていきたいと思います」

Q:最初に一番強いぐらいの相手と戦うことについては?

大嶽「自分たちより格下は全国大会ではいないので、当たった時には良い経験ができるなというか。日本代表クラスの選手が相手にはいるので、その選手たちと試合をする機会は全国ぐらいじゃないとないので、たくさん吸収したいですし、僕は大学でもサッカーを続けるので、次につなげることもできれば良いなと思います」

下村「自分はキーパーなので、正直失点のところでは、大量失点してしまえば自分の失点みたいな感じになると思います。そこは少しビビっているところもありますが(苦笑)、そこでやられているようで今後もダメですから、強気でどんどん止めて行って、一番最初に一番強い相手と戦うので、全国を経験するには良い機会です。全力で挑みたいと思います」


〇伊藤裕二監督
Q:プロの選手による指導という特別な機会がありました。率直に感想はいかがですか。

「最初はやっぱり初めてのことだと思うので、少し戸惑っているところもあったと思いますが、途中からは自分たちも入りながらやって、選手たちはすごく楽しそうにやっていました。良かったなと思いますね。見本も見せてくれましたし、子どもたちには刺激になったと思います」

Q:彼らが用意した練習メニューの狙いなどを見て、選手たちの反応含めてどのように見ていたのでしょうか。

「我々も基本技術のところをすごく大事にするんですよ。プロでも基本技術を大事にしているんだ、ということがわかってくれたと思いますし、止める蹴るのところもそう。サッカーってやっぱり基本の積み重ねと、あとは自分たちの発想でやっていくことが大事だと思うので。そういう意味では自分たちが日ごろやっていることとそんなに変わらないけど、質のところのこだわりがあるということをわかってくれただけでも、有意義だったと思います」

Q:こういった機会は珍しいことですが、機会が設けられたこと自体にはどんな感想をお持ちですか。

「いやもう、我々はこうしたことにもウェルカムな状態なので、全国大会は近いですけど、それよりもプラスになることは大きいと思っていますし、実際、次の全国大会に向けての何かヒントが一つでも彼らにあれば、こんな嬉しいことはありません。良かったなと思いますね。こういった機会を設けてくださったグランパスに感謝しています」

Q:単純に、伊藤監督にとってはグランパスの後輩たちが来てくれた、というところもありますね。

「特に石田と三井の二人はウチの学校の出身ですし、二人が来てくれたことは非常に喜ばしいことです。彼らにとっても励みにもなるでしょうし、自分もグランパスの出身ですが、こうしたつながりがまだあるということも、非常に喜ばしいことです」

Q:目の前でプロのプレーが見られるのもう良い経験だと思います。

「それはそれぞれ選手たちが感じたものが、例えば良い習慣であれば続けてくれればいいですし、ヒントになったことがあるならば、それが彼らの身になっていくと思うので。今日の練習については彼らがどう感じたかが一番大事だと思っています。みんな、活き活きとした顔をしていたので、良いトレーニングができたんだなと感じています」

Q:伊藤監督も常に笑顔で選手たちに接せられていましたね。

「まあ、普段からそうですね(笑)。全員が全員、上を目指してというか、100人以上の部員がいる中ではメンバーに入っていけない選手もいるわけですが、やっぱりサッカーを楽しくやってほしい、そのことは意識しています」

Q:選手権に向けてはここから仕上げていく段階だと思います。チームの状態や雰囲気はいかがですか。

「雰囲気はいつも通り良いのですが、テスト期間が少し長かったこともあって、練習が満足にできていなかった部分がありました。全国大会に向けての準備の中に私がいられなかったこともあったので、もう本当に今週からじっくりとチームを作り上げていきたいなと思っています」

Q:重視されるのは?

「どう戦うか、みんなに同じ方向をむかせることが一番大事かなと思っています。それぞれが違う方ではなく、チームとして戦っていこうと。それをやりきるだけじゃないかな、と思います。そのあたりの落とし込みだとか、重要視していきたいと思っています」

Q:伊藤監督も選手権を監督として迎えるのは初の経験です。

「楽しみですけれど、今まで行ったことのあったスタジアムにまた行けるとか、そういったところも楽しみですね(笑)。いろいろな部分で楽しみが多いですね」

reported by 今井雄一朗

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