赤鯱新報

【名古屋vs川崎F】レビュー:「いい試合だった」で終わらせてはもったいない戦い。僅差を生んだ大きな差が、次の勝利の糧となる。

■明治安田生命J1リーグ第4節
3月18日(日)名古屋 0-1 川崎F(19:03KICK OFF/豊田ス/25,898人)
得点者:65′ 大久保嘉人(川崎F)
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手応えと評価を同じにして良いのか、何とも迷う敗戦だった。昇格プレーオフ経由でJ1に復帰したチームが、前年度王者と真っ向勝負を演じて0-1で敗れた。得点差もさることながら、内容面でも十分に“殴り合った”ゲームだったとは思う。決定機もほぼ同数で、試合終了間際にはあと数cmで同点に追いつけるチャンスもあった。だが、得点は奪えずに相手には決定機の一つをものにされ、そのまま逃げきられている。僅差の試合の内訳がわずかなものであったかといえば、それは違うだろう。90分をいかにして勝利に結びつけるかというところで、名古屋は王者の貫禄を見せつけられたのである。

風間監督が指揮を執り始めて1年以上が経つが、これほどまでにボールを握られ、ポゼッションによって守備が振り回されるゲームは初めてだったのではないか。川崎は強かった。苛烈なプレッシングと確実なボール回し、パスの速さ、ダイナミックな展開との併用。後ろから組み立てることもできればカウンターの鋭さもあり、あらゆる角度から攻撃を展開することができた。名古屋はホーシャが間に合わなかったものの、体調不良で「1~2kgで済めばいいですけど」というほど体重が落ちたという長谷川アーリアジャスールが何とか復帰にこぎつけ、戦力ダウンを最小限に抑えて臨むことはできていた。開始2分の直接FKはゴール前のファウルがなければジョーが頭で叩き込んでいた決定機であり、先手を打てた感覚もあっただろう。「上手いのはわかっていたので、持たせるところと行く部分はしっかり自分たちの中でやろうという話はしていた」(和泉竜司)と、守備のメンタリティーもしっかり保てていたのも展開を拮抗させた大きな要因だ。

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