赤鯱新報

【G大阪vs名古屋】レビュー:勝利に値する吹田での善戦。強豪と伍する潜在能力の証明は、新たな追求の始まりを意味する。

■2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第17節
6月25日(土)G大阪 3-3 名古屋(19:04KICK OFF/吹田スタ/33,546人)
得点者:3’川又堅碁(名古屋)45‘阿部浩之(G大阪)54‘金正也(G大阪)67川又堅碁(名古屋)87‘今野泰幸(G大阪)89’矢野貴章(名古屋)
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勝てなかった。しかし、勝利に値する善戦だった。降格圏に片足を突っ込んだ状態の名古屋が、宇佐美貴史の惜別試合という特別なシチュエーションを背負ったG大阪に対し、2度のビハインドを追いついての打ち合いを演じた。勝点3が欲しい状況ではあるが、強豪とのアウェイゲームで勝点1は及第点だ。古巣との対戦を前に安田理大は「こういう難しい相手から勝点を拾っていくことが、最終的な順位を上げる秘訣」と語ったが、まさにこの日の名古屋はしたたかに、力強く、チーム一丸となって勝点をもぎ取ってみせた。

田口泰士、そしてシモビッチを欠く中では苦戦も十分に予想できた一戦で、名古屋が見せたのは非常に統制の取れたサッカーだった。欠場者の代役には矢田旭と川又堅碁が選ばれ、さらには右サイドハーフには古林将太ではなく小川佳純を指揮官はチョイス。田口不在のセットプレーキッカーという意味合いもそこにはあっただろうが、試合内容を見れば彼の経験と読みの鋭さ、ポジショニングの巧みさが買われたとも思えた。ボランチの磯村亮太曰く、「今日はあまり前から奪いに行かなかったので、そこでバランスが取れた。相手もそれを嫌がっていた」とのことで、プレッシングの激しさより守備組織のオーガナイズに主眼が置かれたメンバー構成は正解とも言えた。

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