「川崎フットボールアディクト」

意外な点差で勝利。膠着した序盤を経て押し切る/プレミアリーグ第9節 vs横浜FMユース【レポート】

プレミアEAST 第9節
6月24日(土)(14:00KICKOFF/麻生/194人)
川崎U-18 4 – 0 横浜FMユース

■高校1年生CB

川崎U-18が6月24日にプレミアリーグ第9節の横浜FMユース戦を行った。試合会場はトップチームの練習場の麻生グラウンドだった。

試合は、膠着した序盤を経た終盤に川崎U-18が得点を重ねる意外な展開に。

川崎U-18は、U17日本代表に柴田翔太郎と土屋櫂大の両選手が招集されていることもあり、CBとして林駿佑が初先発していた。

「むちゃくちゃ緊張したっていうのはあるんですが」と口にする林は、それとともに「頼もしい先輩方が声をかけてくれて、思いっきりやれっていう風にコーチ、スタッフの方も言ってくれたので。その声掛けもあって、自分のプレーを落ち着いてできたかなと思います」と振り返る。そんな林は2007年5月29日生まれの16歳で高校1年生ながら堂々たるプレーぶりで、高2の山中大輝とともに要所要所を締めた。

「山中大輝くんと話してたのは、一人が競って、一人がカバーっていうところもそうですし、二人が二人とも競って、裏に行かれないようにしようというところだったりとか。あとはやっぱり相手がデカいっていうところで、収められて攻撃の起点になってしまうと良くないので。そこで潰せるところは潰すというところで、どっちが行くかっていうのを常に声掛けながら、絶対に無失点で行こう、っていう話はしました」(林)

ちなみに、彼らCBコンビを最後尾から支えたGK菊池悠斗は、林について「シュンスケ(林駿佑)は全然やれる人なので。本当に1年生とは思えないパフォーマンスをするんで。シュンスケはすごいです」と2学年下の後輩を絶賛。そんな彼らが守る最終ラインの安定感もあり、試合は徐々に川崎U-18が握る展開となる。

■先制点

試合開始から横浜FMユースが警戒していたのは、川崎U-18の右サイドハーフ、加治佐海の動きで左CBの埜口怜乃と左SBの池田春汰の間を使われないような指示が出ていた。そんな、横浜FMユースの警戒が正当なものだと示されたのが32分の先制点の場面。右サイドの香取武からのボールを受けた江原がクロス。これが加治佐を経由してファー詰めしていた岡崎の元に。岡崎がこれを落ち着いて頭で押し込み、川崎U-18が先制点を手にした。

「1点目は、右でエイジ(江原叡志)ですかね。エイジがクロスの体勢に入ったので。(その時に)結構エイジもフリーな状態で受けれたので(クロスが)上がってくるなって(思った)」

クロスが入ってくる過程をイメージできていたという岡崎は、ニアに入り込んだ加治佐との位置関係を見極めてポジションを取っていたのだという。

「自分と海(加治佐海)の間に居たディフェンスが、海の方につられて、それでこぼれたボールを狙おうかなって思ってたのがドンピシャこぼれて来てくれて。あとはキーパーが切ったコースの逆にしっかり流すことができました」

相手GKの動きを視野に入れた岡崎の冷静な判断から生まれた先制点だった。

なお岡崎はこれが節目の今季10得点目。

「去年は自分、一番調子いい時に離脱して、2桁取れずに終わったので。まずは2桁得点が取れて、今日はほっとしているところと、、」

そう話す岡崎は「チームをプレミアのファイナルに連れていくという意味では、自分がもっとチャンスを多く作らなきゃいけないなっていうふうに思っているので」と述べて「得点王はもちろんですけど、後半戦、まだ前半戦、あと2試合残ってますけど、決定力はもっと磨きをかけないといけないと思います」と表情を引き締めていた。

攻撃の手を緩めない川崎U-18は、35分に加治佐が蹴るFKを山中が頭で合わせ、ゴールかと思われたがこれはオフサイドの判定。

攻め手がなかった横浜FMユースは前半44分という時間帯に濱田心太朗に代えて、横山俊介を投入。170cmの濱田に対し、横山は183cmと長身で、高さを加えることで起点を作ろうと考えての交代だったものと判断した。

なお、前半はそのまま1−0で終了している。

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