【取材メモから紐解く名古屋グランパス2023:見込みと、誤算と。】2.10番離脱の誤算と、次なる試みへの産みの苦しみ
2.10番離脱の誤算と、次なる試みへの産みの苦しみ
ここから先は筆がやや重たくなる。後半戦の“訳の分からなさ”はうまくつかめないからこそ深刻で、強いハレーションともなってピッチの見え方を大きく変えた。夏の移籍市場を通り抜けたチームは背番号10を始め7名が期限付き含めて移籍し、森島司や前田直輝、久保藤次郎、中島大嘉らを獲得。マテウスの移籍は寝耳に水でも、森島と前田の加入だけでも大きなインパクトはあり、まさかリーグ前半戦の主役のひとりがここまで調子を落とすなどとは他クラブですら思っていなかったはずだ。ただしなかなか勝点が得られなくなったとはいえ上位争いは続き、ルヴァンカップはベスト4、天皇杯も8強とまずまずの勝ち上がりを見せてもいた。特にルヴァンカップでは久保、中島、吉田温紀にゴールが生まれての準決勝進出で、これが起爆剤となって巻き返しのエネルギーへとつながっていくとも期待はされた。実際、久保はここから主力の座を射止めてリーグ終盤戦では仕掛けの武器として活かされる立場へとジャンプアップしていく。そこに米本の復帰や森島のフィットが重なって終盤の“バージョン2.0”のような姿が見えてくるのだが、そこに至る3ヵ月間の苦悩は周知のとおりだ。
(残り 2709文字/全文: 3285文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ