赤鯱新報

【赤鯱短信】名古屋で熟した精鋭ふたり。寂しさよりも、楽しみが優る彼らの“次”に最大限のリスペクトを。


寂しい季節がやってきた。以前ならばクラブハウスで彼らの言葉を聞くこともできたが、現状の取材環境ではそれも叶わない。この業界、契約満了や移籍は常なれど、このクラブに長くかかわった選手の旅立ちはやはり惜別の思いも強く、それがチームのために日々の努力を尽くしてきてくれた人々ならばなおのこと寂しさは募る。18日に発表された宮原和也と渋谷飛翔の契約満了のリリースは、どうしてもその在籍年数の長さからして少しばかりの上乗せされる気持ちが湧き上がる。ふたりは、武田洋平に次ぐチームの古参でもあったのだ。

ふたりは年齢も近く、ピッチ内外で仲の良い選手たちだった。加入も同じ2017年で、チームがJ2という未知の闘いを始めるにあたり、多くの期待を背負ってもいた。当時の評判は宮原がボランチを中心に複数ポジションをこなす万能型、渋谷は横浜FCで主戦GKとしてのキャリアを積んだ若手の期待株といったところ。それが風間八宏監督の掲げるスタイルの中で、宮原は右サイドバックとして、渋谷もまたビルドアップでも長所を出せるキーパーとしての才能を伸ばしていく。このシーズン、渋谷はリーグ4試合出場にとどまったが、宮原は41試合に出場するフル回転ぶりで、あれは確かアウェイの金沢戦だったと記憶しているが、40度近い高熱を前日に出しながらも1試合を戦い抜くタフさも誇示した1年になった。

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