赤鯱新報

【クラブニュース】スペシャルオリンピックス日本 ユニファイドサッカーTeam Japanが名古屋U-15と対戦。熱戦の模様を写真でレポート。

屋根の撤去作業が続く豊田スタジアムは素晴らしい天候に恵まれた。暑いくらいの日差しが降り注ぐ。

本日9月25日、名古屋グランパスがその理念・活動に以前より賛同し協力関係にある「スペシャルオリンピックス」の活動の一環として、ユニファイドサッカーのTeam Japanと名古屋U-15の親善試合が行なわれた。スペシャルオリンピックスとは知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果発表の場である競技会を年間を通じ提供している国際スポーツ組織で、日本理事長は有森裕子さん、そしてドリームサポーターとして名古屋OBの玉田圭司さんが参加している。

普段の名古屋の公式戦で流れる選手紹介の曲に合わせてTeam Japanの選手紹介が行なわれた。選手たちは大喜び。

今回のユニファイドサッカーとは知的障害のある人とない人たちで構成される競技で、今回はその中でも強豪として知られる福島県のチームが「Team Japan」としてこの親善試合に臨んだ。U-15年代を中心に10代の選手11名のチームは先日の台風の影響で名古屋入りにも大変な思いをした中、豊田スタジアムでの試合には意欲も十分。選手紹介のビジョンにも大盛り上がりで、公式戦さながらの入場など、またとない体験にも目を輝かせていた。

ピッチ脇の実況席には解説として山口素弘GMが。

試合前の記念撮影。ホームがTeam Japanで、アウェイが名古屋U-15というのも不思議な感じ。

対する名古屋U-15は代表合宿などで不在の選手を除き、主力をしっかり並べてユニファイドとの試合に挑んだ。序盤から安定したパス回しと運動量、即時奪回のトランジションの速さで主導権を握ると、7分に野中祐吾、9分に服部孝太朗、11分に再び野中と立て続けに加点しTeam Japanを圧倒。中央の守備は堅いTeam Japanだったが、テンポの良いサイドチェンジと精度の高いクロスで名古屋U-15が上回り、得点以外でも決定機を連発した。前半途中で負傷者の治療があり数的不利になりながらもTeam Japanは食い下がり、前半は0-3で折り返し。だがハーフタイムでロッカーに戻る選手たちにはコミュニケーションを重ねる姿が見られ、さすがの日本代表チームだなと思わせる真剣さが見て取れた。

相手のドリブルに制限をかけに行く玉田圭司さん。

後半も開始5分でセットプレーから山本陽暉が頭で決め、名古屋U-15が勢いを継続すると、Team Japanはたまらず秘密兵器を投入。ドリームサポーターであり彼らの特別コーチのような役割でもあった玉田圭司さんが懐かしのユニフォームに身を包み、豊田スタジアムのピッチに立った。5月のレジェンドマッチ以来の豊田のピッチだが、あの時は特別ユニフォームであり、2018年モデルの本物のユニフォームを着てのプレーはなかなかにレアな光景だった。玉田さんは最初は前線で、少し経つとボランチあたりのポジショニングでチームの攻守に貢献を試みたが、名古屋U-15の勢いは止まずに7分、13分、17分と失点。そのどれもがサイドを突破されてのクロスからの失点であり、彼らのウィークポイントがはっきりとわかるようでもあった。

20分ハーフの前後半を終え、試合は7-0で名古屋U-15の勝利。その後インターバルを挟んでミックスチームでのエクストラマッチが行なわれ、こちらは一進一退の攻防の末に1-0の決着がついた。試合後には両チーム選手同士の交流もあり、和気あいあいとした雰囲気のうちにイベントは終了。今回の福島チームによるTeam Japanの活動はこれでひと段落ということで、最後は玉田さん、そして有森裕子理事長からの労いの言葉もかけられた。一見しただけでは知的障害の有無はわからないほどにサッカーのプレーは遜色なく、随所に良いプレーも見られたTeam Japanの健闘は、普段の豊田スタジアムでの試合とはまた違う発見と魅力に満ちていて興味深いものだった。

reported by 今井雄一朗

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