赤鯱新報

【名古屋vs八戸】レビュー:まさかの雷中断、そして中止・延期。苦戦から勝利への道が開け始めた八戸との戦いは、決着戦へと持ち込まれた。

■第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦
7月12日(水)名古屋vs八戸(19:00KICK OFF/パロ瑞穂)
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驚きの結末、ではなく“途中経過”が待っていた。前半38分頃から鳴り出した雷はパロマ瑞穂スタジアムにどんどんと近づき、65分頃にはついにすぐ近くで雷鳴が轟いた。その前から愛知県サッカー協会のスタッフたちが天候を逐一確かめる姿は見えていたが、この一撃ですぐさま試合中断を決断。ひとまず20時45分に再開の検討をすることで選手、審判、そして観客を非難させ、雷とのにらめっこが始まった。

しかしその後、名古屋市に「土砂災害警戒情報」が発令され、会場全員の携帯電話・スマートフォンがけたたましく鳴る。ピッチにはまさしく豪雨という勢いと量の雨が降り注ぎ、判断のタイミングは21時、21時15分とズレこんでいった。ようやく21時15分に「雷雲が遠ざかってきたので、21時25分に残り25分時点から試合を再開します」とのアナウンスがあったのだが、選手たちが冷えた身体をピッチで温めている最中にとどめの雷が近くに落ちた。再度の中断が指示され、21時27分、この日の試合続行がなくなったことが場内に知らされた。

何とも難しい判断だっただろう。選手としても、運営側からしてもあと“たったの”25分間だった。青森からやってきた八戸の負担を考えても、少し時間が遅くなろうが成立させたかったことは想像に難くない。残りの25分間をどのように補填するかは日本サッカー協会が検討中とのことで、決まっているのは再試合が行われることのみ。日時、会場はもちろん、再試合が25分間の変則開催なのか、キックオフからの文字通りの再試合となるのかも決まっていないという。4回戦は9月20日に予定されており、少し期間が取れることが幸いだが、いずれにしても今後の日程を踏まえれば、平日開催の可能性は濃厚ではないだろうか。

だが、試合内容としては残り25分間は“たったの”と表現できる時間の長さではなかった。概ね試合の主導権は握った名古屋だったが、65分間の戦いはそのほとんどが、苦戦と呼ぶ方が正しいものだったからだ。

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