赤鯱新報

【クラブニュース】名古屋グランパスSDGsアカデミー企画最終章!U-18の面々が地産地消カレー「野菜と俺ら。」を売りまくった!

6月18日、ルヴァンカップ広島戦の試合前西イベント広場で大きな声を出していたのはU-18の面々。昨年10月から続く「名古屋グランパスSDGsアカデミー」で企画した地産地消カレーの販売を行った。

YBCルヴァンカップ予選グループステージ第6戦、広島との試合前イベント広場には”若鯱”たちの大きな声が響いていた。「カレーいかがっすか!」「地産地消カレーやってます!」「ビールにカレー、どうっすか!?」。必死に声を上げるU-18の選手たちがアピールしているのは、昨年10月から続く「ステークホルダーの方々とアカデミー選手が共創しながら社会課題の解決を目指す」という『名古屋グランパスSDGsアカデミー』企画の集大成、SDGsを学びながら地元農家との連係で生み出したレトルトカレーだ。愛知県の名産品について学び、フードマイレージや地産地消を考え、商品名やパッケージデザイン、もちろん味についても研究を重ねて制作されたカレーの名は「野菜と俺ら。」。売店で商品を売ることも、お客さん一人ひとりに呼びかけ「買ってください」と”営業”するのも初めての高校生たちは、それでもこの企画を楽しんでいたように見えた。

見た目にもわかる肉と野菜のゴロっと感。味はまろやかで、野田愛斗の言う通り野菜の甘味が感じられた。

広島戦前の西イベント広場には制作されたカレーをパッケージとして600円で販売するブースと、推奨米の「あいちのかおり」とともに盛り付けたカレーを900円で楽しめるキッチンカーの二段構え。ブースの販売担当、キッチンカーの盛り付け及び会計、そして看板をもってイベント広場で宣伝する3手に分かれた選手たちは、それぞれの仕事に張り切って取り掛かった。トラメガを持った大田湊真は「カレーいかがっすか!」と明るい声を飛ばし、そこに他の選手たちも続くこと数分。レトルトカレーは幸先の良いスタートだったが、キッチンカーは苦戦し販売を担当していた山田煌人は「こっちに人がなかなか来ないっすね…」と困り顔。それに気づいた大田たちが「客を呼び込むぞ!」と宣伝の場所を変えると徐々に客の流れができ、いつしかキッチンカーの前には長蛇の列ができていた。

「おれ、作り笑いは苦手なんですよぉー」とモデルになってくれた野田愛斗。この容器やスプーンも、土に還る素材でできている。

写真撮影に協力してくれた野田愛斗によれば、「販売で600個、キッチンカーで300食が目標なんです」とのこと。カレーを実食してみたが、思ったより甘めの味わいと思いきや野田にとっては「やや辛いです」と、苦手な方にはそう感じる辛さの様子。だが地元特産の「美トマト」「へきなん美人(にんじん)」の醸し出す野菜の甘味はそれ以上で、しっかりと煮込まれた「みかわポーク」も味わい深く食べ応えも十分。野田は「特にトマトの味がすごく利いています」と、”自作”のカレーを絶賛していた。気になる販売結果は何と両方ともに完売で、U-18の面々の健闘が光る結果に。「愛知県の農業に関する社会課題への取り組みをSDGsアカデミーのテーマとし、スポーツのチカラで持続可能な食産業モデルの構築を目指し、愛知県産農産物の6次産業化を図る」という今企画はひとまず終えたが、こうした取り組みは今後も継続されていくはず。社会性のある選手の育成というアカデミーの目的、目標もしっかり達成されたことは、このイベントの賑わいと完成したカレーの出来を見れば一目瞭然だった。

reported by 今井雄一朗

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ