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【クラブニュース】クラブ公式ドキュメンタリー「INSIDE GRAMPUS THE DEEP -未来への覚悟-」劇場公開!初日の舞台挨拶に、主力4選手が登場!

まず初回上映ののちに行われたのは永井謙佑と稲垣祥の舞台挨拶。会場上部の入り口から、サポーターたちの間を縫って登場する。

昨年に引き続き制作されたクラブ公式ドキュメンタリー「INSIDE GRAMPUS THE DEEP」が今年は名古屋のミッドランドスクエアシネマ2にて劇場公開されることになり、その初日となる12月17日に永井謙佑と稲垣祥、中谷進之介と重廣卓也の両コンビが舞台挨拶でサポーターたちの前に姿を見せた。昨季と同様にチーム始動から解散式までの324日間を記録した映像の中から厳選の100分の映像はピッチで見えていたもの、見えなかった舞台裏の両面から楽しめる良作に仕上がっており、その初回上映を受けて舞台に上がったのが永井と稲垣のふたりだった。

挨拶をし、壇上の椅子に座るふたり。司会の質問に答える形で、約25分のトークを展開した。

笑顔の多かった稲垣祥。誕生日を祝われさらに笑顔に。

25日に31歳の誕生日を迎える稲垣は場内にお祝いのメッセージも掲げられる中、「まだ31歳?来年も酷使してもらいましょう」と永井の先制パンチを受けてのスタートに。オフシーズンに手術を受けることになった負傷に触れられると、「昨年のあばらは痛みを我慢すれば良かったんで、今年の方がきつかった」と笑顔。「夏くらいには『この試合終わったらもう絶対やめよう』って思いながらでした」と、我々の想像以上の戦いがあったことを明かした。

名古屋復帰を聞かれ、ものすごい真剣な顔で「悩みましたよ」と答える永井謙佑。

「おかえりなさい」と司会のYO!YO!YOSUKEさんから振られた永井は「悩みましたね…痩せてたでしょ、当時の映像」と移籍決断までの苦悩を吐露。「あの頃食べられなかったんですよ、寝ようと思っても考えたら眠れないし。祥とこれ見てて、当時と今の顔の丸さが全然違うので、『デブだな、太ってんな』って言ってます(笑)」と会場を笑わせたが、「落として出て行っているので、ファミリーのことが一番気になっていた」と、名古屋復帰はそう簡単な決断ではなかったことも真剣な表情で語っている。決断の大きな理由はふたつ。「やっぱりあの声援が忘れられなかった。降格したシーズンの、苦しい時にも応援してくれたあの残像がずっと残ってるんです」。そして、「子どもも勝負してほしいって言ってくれたんです。輝いてくれって」という家族の一言が最後の決め手になり、その後の爆発は言わずもがなである。

稲垣祥は本当に笑顔が多かった。永井謙佑の存在は大きかったと言い、そこが助けになったと感謝した。

トークはまだまだ続いた。今季の名古屋の大きな出来事としてはプレシーズンのコロナ禍があったが、稲垣もその中で苦しんだと苦笑。「練習試合も45分を一回やっただけで、それ以外まったくやってなかったし」という言葉は、それであの開幕戦ゴールかと思うと凄味が増す。長谷川健太監督になって最も大きな変化は練習の雰囲気だと言い、「昨年は練習中にまったく声を出してはいけない、笑っちゃいけない環境だったので、今年は『こんなに盛り上がっていいのか』みたいに思いました」と前体制との比較を教えてくれた。逆に長谷川監督のトレーニングスタイルを知る永井は違和感なく、そして練習中の声出しにもいろいろな気遣いや狙いがあったと言うと、稲垣は「めちゃくちゃ大きかったです。チームのことを目にかけてくれる。そういう存在が僕より年上でいてくれることが、どれだけ僕にとって心強かったことか」と永井復帰の大きな副産物にも触れていた。

どんどん膨らむトークだったが、あまりネタバレになっても仕方ないのでこれくらいで割愛。ただ、永井と稲垣が最後に残した「モリはああ見えて気にしいなんですよ。あいつにはポジティブな声かけをしてほしい」(永井)「あいつは良い時だけエゴサするんで、みんなで良い言葉をかけてあげてください(笑)」(森下)という掛け合いには笑わせてもらったことは残しておく。

2回目の上映前に行われたのは中谷進之介と重廣卓也による舞台挨拶。実は同い年であることを名古屋で一緒になって初めて知ったという同級生である。

そして2回目上映の前には中谷と重廣が登場。実は同い年であることを名古屋で初めて知ったというふたりだが、それでも息の合ったトークで会場を大いに盛り上げた。まずは2022年を振り返って中谷が「悔しい1年だった。この試合勝っとけばなとか、悔しいことの多い1年でした。チェッ(舌打ち)な感じで」と苦み走った表情で語り、「一昨日くらいに青木亮太に会ったんですけど、『おれ、あの試合良かったろ?』ってドヤられたホームの札幌戦が一番『チェッ』でした」とオチをつける好スタート。その青木にかつて「トークの鬼」と紹介された中谷、さすがである。

最初からハイペースで飛ばす中谷進之介。トークショーはお任せである。

取材時には饒舌に倍速をかけたような重廣だが、こうした場でのトークは話し方もややゆったりめのマイペース。途中加入のプレッシャーはと問われ、「そんな感じはまったく僕にはなかったですね」と受け流すと、「監督も僕のプレースタイルを知らなかったり、そんな感じだったんで、ある意味気楽でした」と穏やかな笑顔で話し続けた。

中谷進之介に相槌を打ちつつニコニコしていた重廣卓也。取材時に見せる饒舌さは、トークショーではやや控えめ。

まだ見ていない観客相手の舞台挨拶は慎重にトークが進められ、話題は3バックへの変更へ。中谷はここでも「最初は攻撃行けるなと(笑)。3バックに抵抗はなかったので、攻撃いけるなっていうメンタルだったんですが、実際やってみてこれは難しいなと」と当時の心境を語り、観客の興味を独り占め。隣りで組んでいた藤井陽也についても「あいつはあのままでいいんです。声とか出さなくても、あのままでスーパーだからそれでいい」とべた褒めし、サポーターたちを喜ばせた。

常に楽しそうに話す中谷進之介。藤井陽也の成長については、「あいつはあのままでいい」と優しく評価。

面白かったのは声援解禁のことに触れた際、2018年から在籍する中谷が「おれとマルくんがフィールドで一番の古株なんですよ」と言ったこと。宮原の契約満了に伴い、16年から在籍するGKの武田洋平を除くと中谷と丸山祐市が確かに最古参の選手となった。「でも名古屋のことは全然知らない。今でもグーグルマップに頼ってます」の台詞は照れ隠しなのか何なのか。「チームを引っ張る意識は最初からあります。試合にはほぼほぼ出させてもらっているので」という言葉は、何とも彼らしい「当たり前」の示し方だなと思った次第。

後半になると笑うことも増えた重廣卓也。まさか緊張してた?

来季の目標は二人揃って「ケガをしないこと」。加えて重廣は「今年、鳥栖戦で無人のゴールを外しているので、しっかりシュート練習をしたい」と言って笑わせた。中谷は一切の冗談なしに「タイトルを獲りたい」ときっぱり。「全力でやることで、勝手にチームが引っ張られているような感じで」と中谷が言えば、「ついていきます!」と重廣が応えるあたりはようやく同い年コンビの良さが出た感じも。最後はグッズ抽選会や記念撮影を行ない、サポーターとの交流も楽しんだ様子で、終始笑顔のイベントはあっと言う間にその幕を閉じた。

上映はミッドランドスクエアシネマ2で、選手サイン入りのグッズが当たる抽選も行われているとのこと。上映スケジュールなどは映画館HPなどを参考のこと。

reported by 今井雄一朗

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