赤鯱新報

【クラブニュース】30周年プレミアムサッカースクール最終回。楢﨑正剛コーチのGK回は現役選手も参加の豪華版に。

今回で最終回となった30周年プレミアムサッカースクールの“講師”は楢﨑正剛クラブスペシャルフェロー。開始時はあいにくの雨模様だったが、子どもたちを前に楢﨑コーチは笑顔満面だった。

昨日10月10日のスポーツの日に、名古屋グランパスが30周年記念事業の一環として開催してきた「プレミアムサッカースクール」の第6回、最終回のトレーニングがトヨタスポーツセンターで行われた。開始時はあいにくの雨模様、時に豪雨という悪天候にも見舞われたが、トレーニング中盤からは夏を思わせる日差しが降り注ぐという幸運も呼び寄せつつも、楢﨑正剛コーチがオーガナイズしたのはゴールキーパーがメインテーマに。30名のスクール生の中で専門のGKは3人ほどだったが、この年代ならばいろいろなポジションをやるべきということもあり、楢﨑コーチが用意したGKグローブを身に着けた選手たちはいつと違う練習に笑顔を見せた。

今回は何と武田洋平と東ジョンがコーチとしてサプライズ参加。オフ返上で子どもたちのために一肌脱いだ。

今回のテーマはキーパーだったが、参加選手のほとんどがフィールドの選手だということで、楢﨑コーチが全員分のGKグローブをプレゼント。さすがの太っ腹である。

ウォーミングアップからすでにGKメニューが始まった練習には、トップチームから武田洋平と東ジョンもサプライズゲストとして参加。スタッフで元名古屋の西村弘司広報まで駆り出した豪華スタッフ陣のもと、選手たちにはキーパーの基礎、考え方を掘り起こすようにして様々な練習が用意されていた。キャッチ一つとっても、「こうキャッチする」ではなく、「キャッチしやすい形は」であるとか、ポジショニングにしても「ここにいたらこうなる」「こういう態勢だとボールが抜けやすい」といった教え方が多く、それはGKにとっては基本であり、同時にフィールドの選手にとってはGKが何をしているのか、どこが狙えるのか、という逆説的な教えにもなっていたように思える。

場所を変えて少しずつ本格化していくトレーニング。とはいえ教えるのはキャッチングなどの基礎の基礎。ここでも楢﨑コーチはなぜそうなるか、という問いかけをもとに技術を教えていった。

基本的な動き方を教える武田洋平。さすがプレミアムサッカースクール、という場面。

これまでの5回に比べれば教えるスキルの高さ、深さはそこまでなかったかもしれないが、違う目線を得られたことは大きな財産のはず。実際にシュートを受ければどこが取りにくい、反応しにくいということもわかったはずで、最後の選手代表のあいさつにも「楽しかった」と素直な感想も聞かれていた。最後のシュートゲームが終わったあとには急きょ決まった武田、東両選手との対決もあり、そこで決めた選手たちにはさらに山口素弘GMから「決めた子は楢﨑コーチと対決だ!」とまさにプレミアムな企画もアドリブで実現。そこで見せた楢﨑コーチの意地のセービングは驚きのキレ味で、「武田やジョンにも良い刺激を与えなければ」とイベント後に楢﨑コーチは苦笑いした。

選手たち一人ひとりに修了証を手渡す山口GM。

全カリキュラムを終えた選手たちには山口GMから修了証とトレーニングで使われていた30周年記念ロゴ入りのサッカーボールもプレゼントされ、さらには山口GM、楢﨑コーチ、武田、東との豪華5ショットの記念撮影まで行われた。楢﨑コーチは「いかにプレミアム感を出すか」と話していたが、玉田圭司さんに始まるOBたちの直接指導だけでなく、栄養指導なども行われたサッカースクールはどう考えても“プレミアム”の名にふさわしい内容だった。楢﨑コーチは「クラブがこうしてOB選手を思い出すじゃないけど、OBを大事にするようなきっかけにもなったと思う」と語り、こういった機会の意義、そして次の企画への意欲も見せ、さらなる10年、20年のクラブの歴史への想いも。「本当に集まるのかな」と山口GMが言った貴重な機会は次代のサッカー選手たちの糧となり礎となり、ひいては名古屋グランパスの次世代に対する種まきとなるに十分な活動だったと言えるだろう。

reported by 今井雄一朗

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