【名古屋vsC大阪】レビュー:全力でもぎ取った勝点1の持つ意味と価値。この引き分けはリスタートの礎となるものか。
■明治安田生命J1リーグ第12節
5月2日(水)名古屋 0-0 C大阪(19:03KICK OFF/パロ瑞穂/13,220人)
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10試合ぶりの勝点は名古屋のポテンシャルを示すものであるとともに、彼らのJ1での立ち位置を再確認させてくれるものでもあった。端的に言えば、死力を尽くして初めて彼らは勝点を手にできるチームだということ。無失点試合もまた10戦ぶりだったランゲラックは「やっとだよ、やっと…」とため息をついてからこう言った。「これはサッカーだ。闘わなければいけない。今日の守備がベースであるべきなんだ」。しかし、それでも彼らは勝てはしなかった。内容がポジティブだっただけに、今こそ本質をしっかりと見据える時だ。
新井一耀の電撃復帰というサプライズが用意されたこの日の名古屋のメンバーは、現実的なバランスの取れた11人と言えた。DFラインは右から菅原由勢、新井、ホーシャ、そして櫛引一紀と全員がセンターバックをこなせるDFが並び、サイドバックはあくまで攻撃的なチョイスだったこれまでの常識を覆す選択となった。菅原にとっては昨年の定位置でU-17ワールドカップでも良いパフォーマンスを見せたポジションだけに、「得意? 間違いないですね」と笑顔。最も責任重大で対応も難しい中央の守備から解放された17歳は、「もっとチャンスメイクできる場所まで行きたかった」と伸び伸びとプレーした。櫛引も試合ごとにサイドバックへの順応を高めており、この日は両チーム最長となる11.354kmの走行距離をマーク。仕掛けの局面では他の攻撃的な選手にはまだ及ばないが、高い位置から強力な守備を仕掛けられるという点では面白い存在になってきてもいる。櫛引と菅原というサイドバックの選択肢は、今後を戦う上での新たな発見と言える。
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