赤鯱新報

【名古屋vs横浜FM】レビュー:G大阪、浦和を破ったあのしぶとさはどこへ…。誤算含みの一戦は、横浜FMに持ち味を発揮され0-3の完敗。

■2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第6節
8月12日(水)名古屋 0-3 横浜FM(19:04KICK OFF/パロ瑞穂/17,093人)
得点者:29’齋藤学(横浜FM)45’アデミウソン(横浜FM)89’伊藤翔(横浜FM)
公式記録・西野朗監督コメント(名古屋公式)
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敗因を一つに求めるのは難しいが、その最たるものは何かといえば「誤算」に他ならない。東アジアカップでともに3試合を戦ってきた永井謙佑と川又堅碁をベンチで待機させた西野朗監督の目論見はもちろん彼ら抜きでの勝利だったはずだが、いくつかの目算に狂いが生じたことで後半頭から2枚のカードを切らざるを得なくなってしまった。最大の誤算は表現するならば“背番号10の幻影”か。ホームでの0-3という最悪の結果は、リアクションに回ってしまった思考の産物とも言えた。

ここで言う“背番号10”とはもちろん横浜FMの大エース・中村俊輔である。今季の前半戦は負傷で満足にプレーしておらず、2ndステージから本格復帰。3節G大阪戦では土壇場で引き分けに持ち込む美しいFKを沈めており、復調を見せつけていた。西野監督は彼の高精度のキックが生み出すセットプレーに最大の警戒心を抱き、今節への準備の後半ではかなり強調してトレーニングを重ねていた。また、相手布陣についても「俊輔の位置がトップ下かボランチなのか、トップもアデミウソンなのか伊藤なのか…」と、日本最高の司令塔ありきの対策を練り続けてもいた。さらにおそらくは横浜FMが2ndステージ5戦勝ちなしという状況を踏まえ、アウェイでは手堅く来ると想定。ボールが持てるとの予想から望月嶺臣をボランチでリーグ初スタメンに抜擢している。前線はノヴァコヴィッチと小屋松知哉のツートップ下に矢田旭を配置し、悩める助っ人へのサポート態勢を強化。横浜FMの堅陣を地上戦から崩すイメージを持って試合に臨んでいたはずだった。

だが、その作戦は肩透かしを食らった。

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