「川崎フットボールアディクト」

田中碧にとっての成長とは?【えとーセトラ】

2024年の代表初ゴールを決めた試合後に、田中碧に質問した。田中にとって成長とはなんなのか。

「どうなんですかね。わかんないですよ。成長って、自分で感じるものじゃないので」

そう話す田中は「もちろんきることが増えたり、なんだろう。そういうものはもちろん、自分の中ではあると思いますけど。でも、そんな目に見えてわかるものでもないかなって」と話す。

そして「環境が変わってできた時に、じゃあそれが成長っていうのかと言われると、それもまた成長かと言われても、ただ環境に慣れただけかもしれないし」と口にしつつ「そこは何だろう。周りが成長したって言ってくれればいいだろうし」と言う。平たく言うと自分で判断することではないということ。だから田中自身は自らのプレーの変化を成長だと位置づけることはないという。

「自分がより高い(レベルの)ところに行った時に、(その環境に順応)できた時に、環境によって自分のプレーが変わるとして、それは自分が良い環境に行って、プレーが良くなったから成長したっていうわけでもないと思うので」

ちなみにプレーの変化≠(ノットイコール)成長だということの意味は、「その環境にフィットしているってだけなので」ということで「そこはそんなに気にしない」と言う。

ただし自らの成長とは別の観点で「結局はどれだけ高い(レベルの)クラブでやれるか、高い(レベルの)大会に出るか、だと思うので。そこがこれからの自分のサッカー人生の全てかなと思います」と向上心をにじませていた。

ご存知の通り、田中はアジアカップのメンバーからは外れた。その件について森保一監督はコメントを避けたが、高いレベルを目指す田中の言動と連動した何かがあるのかもしれない、というのは考え過ぎだろうか?

なお、田中を育成年代から見てきた立場で言わせてもらえれば、ワールドカップ本大会でゴールしているのだから成長しているのは間違いない。

(取材・文・写真/江藤高志)

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