赤鯱新報

【前半戦総括】“チャレンジ”の結実、相互理解が生んだ“想定内”の上位争い

17試合10勝5分2敗のリーグ2位でシーズンを折り返した2023年の名古屋グランパス。チームの得失点のバランスも良く、ホーム無敗の5勝4分、アウェイ勝率73%は上位を争うにふさわしい強さを数字の上でも誇示している。苦しみに苦しみ抜いた昨季からは見違えるほどの競争力はもちろん突然生まれたわけではなく、すべては積み重ねと積み上げの賜物だ。今回は10日後に再開するリーグ後半戦へ向け、改めて2023年前半の名古屋に何が顕著であったか、勝てるチームの特徴とは何かということを、総括的に考えてみたい。

トライ&エラー、さらにチャレンジの繰り返し

負けや失敗の後によく言われることがある。「これを糧にして」、「これがあったからと言えるように」。勘違いしやすいのは、そういった広義で言う“ミス”が必要だったわけではないということだ。100%ミスのない過程というのもそうはないが、ミスはなくても一向に構わないものではある。要するにミスはあってほしいものではなく、あったからには次に生かさなくてはもったいない、という考え方であり、ポジティブに物事を捉えて成長や進化につなげた者だけが言える経験則だ。いつまで経っても同じミスをしているチームがあれば、そのミスは必要なものではなく、単なる欠点というだけに留まっていく。

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