【2021年赤鯱新報的MVP】稲垣祥「一生に一度あるかないかの経験をしている。この“今”を大事にしたい」part1
昨季は筆者の独断と偏見で、そして今季は読者の皆さんの投票結果で、奇しくも2年連続で赤鯱新報が選ぶ年間MVPに稲垣祥が選ばれた。年間55試合をそのほとんどが過密日程の中で闘い抜いた名古屋グランパスだったが、背番号15はそのすべてのピッチに立ち、チームの勝利に大きく貢献してきた。Jリーグベストイレブン、ルヴァンカップMVPをはじめその功績は数え上げたらキリがなく、今年は彼がメディアの前で発言する機会も非常に多かったと記憶している。それでもまだ聞き足りない今季のチーム最高殊勲選手へのインタビュー、たっぷりとノーカットでお届けしたいと思う。
part1.超過密日程も、「良い日程だった」
Q:昨年も同じことを質問したのですが、とても忙しいシーズンでした。終わってみての身体の感覚などはいかがですか。
「身体の感じは特に例年と変わりないし、今になって特別疲れている、みたいなことは全然感じていません。シーズン中の精神的な面を含めた疲労はまあ、特殊だったなとは感じますね。でも振り返ってみると良い経験だったし、それだけサッカーできたというのは幸せなことだし、連戦があることでコンディションが良い方向に行っている部分もあったので。本当に、僕個人としては本当にやりがいのある、良い日程でしたね」
Q:“良い日程”って言えるんですね(笑)
「いやあ(笑)。でも、そこは本当に思いますよ。それだけの試合を数多くできるのは幸せ、ということももちろんあるし、自分の身体のところをとっても、変に間が空くよりもポンポンと試合が来てくれる方がコンディションは作りやすいので。そこは良かったんです。まあ、それが時期によってはトゥーマッチなことがあって、流石に多すぎる…みたいな時もありましたけど、それでも全体を通せば自分にはぴったりのシーズンだったなと思いますね」
Q:乗り切った、やりきった、という感覚でもないということですか。
「いや、もちろん今シーズンの全試合に出て行く中で、それは簡単なことではなかったですよ。自分自身でもそこで色々な工夫、努力をしながらやりました。その中でもすべてをトータルで見れば充実していたなと。自分らしく過ごせたシーズンだったなと、この日程の中では思っています」
Q:やはり隔離があったことがすごく特殊なシーズンで、コンディショニングにも影響する部分は大きかったと思いますが。
「そこも柔軟に対応できたと思います。今までの自分の型とかリズムとか、そんなものを気にしていても、度外視されるようなことばかりでしたから。もう、そこは柔軟に対応してこだわりすぎず、その場その場の環境に応じてということを意識しながらやっていましたし、それが良い方向にいったからこそ全試合出場ができたのだと思います」
(残り 3623文字/全文: 4761文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ