【赤鯱短信】偉大な先輩から想いを受け継いで。再び始まる“名古屋の13番”の物語。
撮影に夢中になっていて気づかなかったのだが、新体制発表の場で藤井陽也の背番号13が発表された時、場内がどよめいたのだという。さぞあの男たちは喜ぶだろうなと思った。名古屋グランパスの育成組織の歴史が、確実に積み重ねられている何よりの証拠だからだ。13番はユース出身の選手の番号。それを言い出したのは現栃木SC強化部長の山口慶だった。番号自体は彼が何となく好きだった数字だったが、「名古屋のユースにはまだまだ歴史がない」と思い悩む中で、その一つの証として考えた“世襲”のアイデアだった。
13番は2005年に山口が背負い、2012年から磯村亮太が受け継ぎ、育成からの生え抜きとしての意味をプレーでも示してきた。ここ2年間は大垣勇樹にその番号が預けられたが、彼の期限付き移籍継続が決定したことで、クラブは再びこの番号に意味を持たせようと思ったようだ。藤井に聞くと、13番への変更はクラブ側からの提案だったそうで、「それはもちろん、是非という感じで。ユース出身の選手が着けてきた番号だということで、そういう期待をしてもらえていると感じました」と、意気込みを新たにしたところがある。
改めて藤井に問う。名古屋の13番は特別な番号か。U-12の頃からの純粋培養である生え抜きのDFは、「そうですね」と即答して継承の想いを口にする。
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