赤鯱新報

【赤鯱短信】悩める38歳と認める42歳。ベテランの眼を通して見る、勝ち始めたチーム。

試合ごとに内容を上げていくような戦いを続けて3連勝。名古屋はここにきて、生き残るための道を見出したかのように見える。ジョーの高さを大きな武器に、相手を押し込む術にバリエーションをもって攻め始めたチームには、純粋な“怖さ”が備わってきたのは間違いない。思えば今節の相手、横浜FMとの前回対戦時、新井一耀に話を聞いていると傍にいた飯倉大樹があっけらかんとこう言っていたことを思い出す。「ジョーに当てて、そこを拾いに行った方が絶対怖いじゃん」。対戦相手のあまりにも率直な意見には、こちらも思わず笑ってしまったものだ。

だが今、まさに名古屋はこうした相手が嫌がることを前面に押し出し、現状打破の糸口をつかみかけている。勝ち方を見つけたチームは勢いもあり、見違えるように自信に満ちたプレーを見せるようになった。良薬は口に苦し、しかし勝利に勝る良薬もまたないのである。この好機、逃す手はない。

玉田

上り調子のチーム。この現状を“彼ら”がどう見ているのかが、ふと気になった。ともに20年以上のキャリアを誇り、サッカーの機微を知り尽くすベテランたちには、この覚醒した名古屋がどのように映っているのかが。まずは玉田圭司である。中断前最後の試合だった柏戦で、今季のチーム日本人」初得点を挙げた38歳は、リーグ再開後のすべての試合でスタメン出場を果たし、風間監督からの強い信頼を印象付けている。半面、ダイナミックな展開が増えていく中で攻撃よりも守備の局面が見た目に際立つようになり、やや苦しんでいるようにも見えていた。彼はいま、何を思ってプレーに臨んでいるのだろうか。

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