赤鯱新報

【徳島vs名古屋】レビュー:圧倒的劣勢での引き分けで首位は堅持。だが、不出来な内容の価値は釣り合うか。

■2017明治安田生命J2リーグ第8節
4月15日(土)徳島 2-2 名古屋(14:05KICK OFF/鳴門大塚/6,078人)
得点者:59’馬渡和彰(徳島)61’フェリペガルシア(名古屋)78’永井龍(名古屋)84’渡大生(徳島)
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技術を拠り所に戦うチームと、戦術を拠り所に戦うチーム。どちらが自信を持って戦いやすいのか。この日に限って言えばそれは戦術、つまり徳島の方だったと言える。「ほぼ負け試合」(楢崎正剛)、「自分たちのやりたいことはゼロ」(田口泰士)と語る選手たちの渋い表情がそれを物語る。自信は技術によって裏付けられるとしてきた1週間の準備は、残念ながら相手の策の前にかき消され、ほとんど生かされる場面がなかった。

徳島は智将リカルド・ロドリゲス監督の指揮の下、素晴らしくシステマチックに戦い、名古屋を追い詰めた。前節までの3バックではなく4バックに布陣を組み替え、ダイヤモンド型の中盤でハイプレスのアプローチを活性化。2トップ+2枚のMFで名古屋の3バック+1ボランチのビルドアップに激しくプレッシャーをかけ、組織の分断に成功していた。さらにはDFラインやアンカーのラインから相手DFラインの死角にダイアゴナルなフィードを放り込むことで、決定機を続出させてもいる。得点チャンスは前半だけで6度以上を数え、この日41歳の誕生日を迎えた楢崎のビッグセーブがなければ、試合は一方的な展開になっていてもおかしくなかった。

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