赤鯱新報

【福岡vs名古屋】レビュー:最下位相手にシュート4本の現実。敵地でのスコアレスドローをどのように受け止めるべきか。

■2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第7節
6月2日(木)福岡 0-0 名古屋(19:04KICK OFF/レベスタ/5,870人)
※今回はVTRを見てのレビューです。
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現在のチーム状況からすれば、及第点なのかもしれない。優勝を狙うチームではなく、構築の途上にある未熟なチーム。まずは認識を改めるところから考えなければ、福岡での試合結果は敗戦に等しい勝点1となってしまう。

竹内彬と矢野貴章が揃って出場停止となり、永井謙佑も負傷の回復具合が万全ではない中、まずはチームマネジメントが注目された一戦だった。DFラインには前日になってオーマンが間に合う見込みとなったが、問題だったのは永井の左サイドだ。ここに小倉隆史GM兼監督は杉森考起を起用し、さらに明神智和が負傷したボランチの一角に田口泰士を戻し、トップ下には矢田旭を3試合ぶりのスタメンとして送り出した。さらにはGKには前週から全体練習には合流していた楢崎正剛をサプライズ起用。「本人の感覚が戻ったということだったので」と、不惑の守護神への絶大なる信頼感を口にした。

フォーメーションは4-2-3-1。指揮官の考え方で言えば、福岡はパスをつないでくると判断したからこその布陣である。もちろん、もしロングボールを多用してくるならば、田口を上げて4-1-4-1にできるというメンバー構成であったことは言うまでもない。矢田が起用されたのは、そのどちらにも対応でき、ボランチもこなせるポリバレントなスタイルが買われたところもあっただろう。矢田はその期待に応えるべく走り、体を張り、この日のチーム最長の走行距離を記録した。動き直しの多さとプレーの連続性という、彼本来のパフォーマンスが、ようやく戻ってきたことを感じさせる数字ではあった。

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