赤鯱新報

【U-18ミニインタビュー】森壮一朗「チームはプレミア優勝、自分はJリーグ出場を目指してやっていく」

今季のトップチーム2種登録選手が先だって発表され、新高校3年生の杉浦駿吾と西森悠斗、そして新高校2年生の森壮一朗が晴れてJリーグ公式戦への“出場権”を得ることとなった。今回はまだリハビリ中の杉浦を除く2名のミニインタビューを敢行、プレミアリーグ開幕間近というタイミングも含め、俊英たちの現状をチームのことと共に聞いた。昨年は年代別代表での活動や、JFAプログラムでバイエルン・ミュンヘンへの練習参加など様々な経験を積んだ森は沖縄キャンプでも精力的にプレーし、新2年生ながら2種登録という期待をクラブからもされている。陽気なキャラクターでもチームを盛り立てる次代のDFリーダーに、2024年の意気込みを聞く。

Q:2種登録が決まって、その時の心境はどうでしたか。
「決まったのは先月くらい、けっこう最近でしたけど、まずは『えっ』って思って。自分は一番はやっぱりトップというのが目指していたところでしたけど、キャンプに行って自分の立ち位置も全然だなって風に思った中で、2種登録って聞いた時はほんと素直に嬉しいなってのもありましたけど、一番は驚きが大きかったです」

Q:トップチームの公式戦に出られるようになると、試合の見え方も変わってくると思いますが。
「キャンプに行っただけでもちょっと見え方は変わっていて、『うわ、一緒にやった選手だ』って、何か親近感か湧いたのもあったんですけど、また2種登録となって、自分も設定上はその試合に出られるわけですし、出られるっていう条件になったからこそ、やっぱり目指すべきはそこだなって思うので。ひとつ目標というか、狙うところが大きくなったというのは自分の中では感じましたけど、だからと言ってやることは変えずに、目の前に集中してやっていければなとは思います」

Q:キャンプでまとまった期間、トップチームと一緒に練習したことで得られたものは。
「やっぱりトップの選手は駆け引きだったりがほんと上手くて。自分が対峙した中で言うと、FWの選手は駆け引きが本当上手で、ツートップでやってたじゃないですか。そのFWに自分が降りたスペースを使われたり、逆に自分が背後を意識したら落ちてそこを使ったりで、駆け引きの重さを感じました。基礎技術も高い選手が多くて、ゲームが日程的に続いていたんで、あんまり練習するっていうとことも少なかったですけど、1~2回やった練習でも自分の基礎技術のなさが出ちゃった部分がたくさんあったので。そこはほんとに帰ってもう1回意識してやり直そうって思いました」

Q:昨年はバイエルンの練習にも参加していましたが、トップチームのキャンプでも、そういうレベルの違いであるとか、自分との差を直で感じたのですね。
「はい。一番はやっぱりキャンプでの衝撃が大きくて、初めてトップの練習に行って、それまで1回も行ったことなかったので、そこでやっぱり違うなっていうのは、直にやってみて感じました」

Q:ちなみにバイエルンの練習参加で受けた刺激や経験はどんなものでしたか。
「バイエルンでは、やっぱりドイツの選手って大きかったり、ゴツかったりしたので、そことどうやって戦うかっていうのにフォーカスして、自分の中ではやっていました。身体の当て方だったりもほんと五分五分、でも原口(元気)さんと対談した時に自分が聞いた内容として、でかい選手がいる中でどうやって当たればいいか。当たるコツとかありますかって聞いたときに、『五分五分のところは自分から当たりに行けば、当たり負けすることはない』ってアドバイスをもらって。その言葉を胸に練習からどんどんチャレンジして、当たりに行ったりというのは意識してやりました。でもドイツの選手は身体だけじゃなくて基礎技術もほんと高くて。ボール回しとかの練習が多かったんですけど、そこでも上手くて、華麗に回されたりして、もう自分がほぼ鬼やってる状態で。上手いなって感じました」

Q:高校に入ってからの1年間でたくさんのいろいろな経験をしましたね。自分でも成長を感じるところがあるのでは。
「そうですね…なんか自分では、振り返っていろいろと経験させてもらったんですけど、“これ”っていう風に明確には自分の中で見つけられてない部分はまだあるんです。でも、やっていく中での感覚っていうのは、絶対最初よりは良くなっているっていう実感はありますし。続けていくことで、自分のストロングだったり、課題だったりも、もっと明確化されるかなと思うので、まずは続けていくっていうことを大事にしていきたいなと思っています」

Q:今年のチームは新しいフォーメーションなども加わって、いろいろなことをやり始めています。ここまでの期間の手応えなどはどうですか。
「監督が三木さんに代わって、三木さんも守備の選手だったので、自分もけっこう言ってもらえることがたくさんあって。その中でも自分はビルドアップについてよく言ってもらってます。相手の状況を観察しながら、最後の相手の動きを見て自分のパスを変えたりという、その最後の判断だったり。だから本当に試合でもそこにフォーカスして自分もやっていて、今日の練習試合でも縦パスのつける位置だったり、そういうところを本当に意識してやっています。そういうところは去年と比べても変わったかな、変わったなって実感はありますし、今は左サイドなので左足でパスすることも多いんですけど、そこもしっかり意識して練習から左足を使うようにしています。まだまだミスすることも多いですけど、チャレンジしていくことで自分の成長につながっている実感はあるので、これからもどんどんチャレンジし続けようかなと思ってます」

Q:確かに右のイメージがありますね。左でのプレーの感触は?
「いや、ほんと今年まで左は全然やったことなくて(笑)。でもそこは自分がまずは試合に出ることが重要ですし、そこで与えられたポジションは左だっていうところで、そんなネガティブに捉えることもなく。逆に左も使えれば自分のプレーの幅も広がりますし、右、左は関係なく、逆に左だからこそ活かせる自分の特徴もあると思うので。そこはどんどんポジティブに捉えてやってます」

Q:DFラインもサイドバックも、今年ならウイングバックもできるところが良い特長だと思います。ふたつのポジションの使い分けやスイッチの切り替えはうまくできるものですか。
「自分はまず攻撃が好きっていうのはあって、去年サイドバックでやった時は、どんどん前に出ていくっていうところがあったと思うんですけど、どちらかというと今年は3バックでやっていて、去年に比べたら上がる回数も少ないです。でも、ここぞっていう時は自分も上がっていきますし、そこを常に狙い続けてはいますね。3枚の後ろだからって行っちゃいけないことはないですし、自分は攻撃にどんどんかかわり続けていくことをひとつの特徴にもしていきたいので。ウイングバックをやることはたぶん今年はないと思うんですけど、やった時にはどんどん、今なら(野中)祐吾もどんどんドリブルで仕掛けてますけど、あんな風に自分も特徴活かしてやっていければなとは思います」

Q:攻撃が大好きという部分はここからもっと表現していきたいところではあるのですか。
「はい、そうっすね。でも左なので縦突破しても左足でクロス上げなきゃいけないので、そこは練習ですけど。だから逆に、(池間)叶と組む時はひとつ後ろで持って、アーリーでクロス上げるというのもいくつか、場面的にはあって。自分がそこでかかわっているのも攻撃の厚みになっていくので、そこは状況に合わせながらですね。今だったら左のウイングバックは叶ですけど、コミュニケーション取りながらやっていきたいなと思います」

Q:ポジションとしてはいろいろとやれるようなところもあるのでしょうか。やはりDFラインがメインになってはきますか。
「そうですね。足元はそんなにないし、ボランチは無理だし(笑)。できてウイングバックかなって感じです」

Q:センターバックとしての能力を伸ばしていくための、今の課題は何ですか。
「まず今は3バックで、センターバック的なことをやっているので、ロングボールとか、相手が大きい時のヘディングというのは、やっぱり大事になってくると思います。自分、身長が180センチちょっとなんで、大きいFWと比べたら小さい方なので。しっかり身体を当てたり、その中でも競り勝つ力をもっとつけていかなきゃいけないと実感していて。今日も三木さんに言われたんですけど、クロス対応のところで自分ボールウォッチャーになりやすい癖があるので。マークとボールを見ながらしっかり適切なポジションを取るというのは…、課題をあげたら何個もあるんですけど、1個1個そこを明確にして、どんどん成長していければなとは思います」

Q:だとすると、沖縄キャンプで中澤佑二さんに教えてもらった機会はものすごく良かったのでは。
「あ、ほんとにそれは自分の中でかなり大きくて。練習に混ざれなかった時の最後、アフターで練習している時に中澤さんが来てくれて、そこで学んだこともありました。そうですね…それはほんと自分の中で大きいものだったんで、活かしていければなとは思います」

Q:あの時ですね、他の選手に熱心に教えて回っていた中澤さんが、「ごめんごめん、待った?」みたいに来てくれた時。
「はい(笑)。あれ、めっちゃ嬉しかったです(笑)」

中澤佑二コーチの見守る中、ヘディングの練習をする森壮一朗。

Q:ですよね(笑)。あの教えの中で何が一番大きかったですか。
「あの時教えてもらった中では、やっぱり片足ジャンプでのヘディングですね。教えてもらって、自分もどちらかと言ったら片足ジャンプでのヘディングの方を得意としていて、逆に両足ジャンプはあんまりできない方で。それでもトップの選手と比べたら全然ですし、思った風に飛ばないですし、かといって右足でのジャンプもやっぱり大事になってくるし。そこは左右差なくできたら両方、左右どっちからボールが来ても、より競り勝てるなっていうのは感じたので。その左右差をなくすことや、両足で行った方がいい時もある、そこの判断基準も教えてもらったので。そういうところを活かしてればなと思います」

Q:今年はプレミアの2年目を戦うわけですが、去年で厳しさや強さなどいろいろ知った上で、今年のプレミアをどう戦っていきたいと思いますか。
「まず去年はいろいろ、代表活動とかで抜けた時期もあったりして、うまくスタメンにも定着できずに、信頼を勝ち取ることもできずで。まずはスタメン定着ができなかったので、今年はまず自分が出られる試合は全試合スタメン張るというのは、ひとつ目標としていくっていうのと。その中でも自分が主役となってこのチームを勝たせるという強い意志を持ってやらなきゃいけないと思います。名古屋グランパスと言ったら自分、って思ってもらえるような、そう思ってもらえるようなプレーをどんどんして、チームも去年はああいう結果になってしまったんですけど、今のところチームもけっこう良い調子で来ているので、そのまま開幕に持っていって、シーズン通して戦っていければなと思います」

Q:去年は序盤にいきなりセンターバックでスタメン出場などありましたが。
「最初の米子北戦の時にセンターバックやって、しかもあの時は実は2日前ぐらいにケガしてて。捻挫で、出られるどうかみたいな感じだったんですけど、やっぱりプレミア出たいじゃないですか。だからもうテーピングして。でも結果そこで失点に絡んでたので、苦い思い出でもあったんです。でもプレミアだからこそ味わえる緊張感だったり、そこで達成して、そこで得る成功の嬉しさだったりというのは、また違ったものがあるので。それは試合に絡んでいく、試合に出ることで得ることが一番多いと思うので、今年も試合に出るということを一番に、この1年間はやっていきたいなと思います」

Q:代表活動もあるでしょうし、忙しいですね。
「それは選ばれれば嬉しいですけど、今年たぶん活動は少ないので。まずはチームでどれだけ結果残せるかっていうのが大事かなと」

Q:2種登録になったことによって、トップでの練習機会も増えると思います。トップでどうやって試合に出るかということも、頭に入れなきゃいけないシーズンですね。
「トップに絡むと言っても、リーグ戦の裏でやっている練習試合とかがまずはメインになるかなとは思うんです。ただ、そこで示すことが自分が目指しているJリーグの出場とかにつながってくると思います。あんまり2種登録でリーグ戦に出場っていうのは、グランパスではあんまりなかったことだと今まで見ていて思っているんですけど、ないからってできないってわけじゃないと思うので。そこは一番に目指しつつ、目の前の与えられたチャンスで一生懸命取り組んで、そこをものにするようにやっていきたいです。それにトップに行ったからとか、ユースだからっていうのは関係なく、どこでも、どこにいても見られてる目というのは変わらないと思うので。いつでも自分の全力を出しきることを意識していきたいと思います」

Q:今年の個人的な目標や、達成したいことは何ですか。
「今年の目標はまずトップチームの試合に出場が一番、全然、高校2年生で出ている選手もいますし、そこを一番に目指しつつも、プレミアでの優勝にかかわっていけるように。チームの目標はそれですけど、個人的な一番の目標はトップの試合出場で、2年生で出れば得るものも大きいと思うので。そこを目標にして頑張っていきたいと思います」

Q:なるほど。ところで髪を伸ばしてだいぶ雰囲気変わりましたね。
「みんなに言われるっすね(笑)」

Q:やっぱり坊主のイメージが強くて。
「まだですか?(笑)。いや、自分は中3の時に1回、何というか頭髪検査に引っかかって、名古屋の練習会に来る直前に坊主にしたんですよ。で、だんだん髪伸びてきたなと思ったら高円宮杯で全国決定して。仲間の何人かで気合を入れて坊主にするか、ってやって。その写真撮影の時期がちょうど坊主だったんですよ(笑)。だからみんなあの坊主頭のイメージしかもうないんですね(笑)」

Q:こっちが本来の姿なんですね(笑)。
「そうです、元に戻ったって感じです(笑)。本来は“あれ”ではないです。あれは違う、特別なやつです」

Q:でも試合後もすごく盛り上げてくれますし、明るいキャラクターなんですね。踊ったりもして。
「いや、そうですね。自分はどちらかと言ったらうるさいキャラなんで、ああいう場では…目立ちたい。目立ちたがり屋って言えばそうなんですけど、やれって言われたら全然やりますし、自分から出ていったこともあるので」

Q:確か踊って足つったのって森選手でしたっけ?
「そうです(笑)。いや、あれはジャンプして。踊って、そのあとなんか調子乗ってジャンプしたら足つって(笑)。痛っ!って(笑)」

Q:あれは名場面でした(笑)。
「しかもあれ、中継あったんじゃないかな。たしか中継があった試合で、それが恥ずかしかったです」

Q:是非ともああいう場面をもっと見せてもらいたいです。たくさん勝てばたくさん見られるわけですし。
「そうですね(笑)。今年はやるかわかんないですけどね(笑)」

reported by 今井雄一朗

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