赤鯱新報

【クラブニュース】丸山祐市がファミリーと最後のお別れ。300名との握手会を終え、本当のラストメッセージをここに。

イベントの会場となったクラブハウス前の駐車場には「名古屋を守る盾はずっと心の中に」という横断幕が掲げられていた。

イベントの開始に先駆けて、全員に聞こえるようにとやぐらの上から丸山祐市があいさつ。

本日12月16日、今季限りでの契約満了がリリースされている丸山祐市がファミリーとの最後のお別れをと握手会イベントを開催。オフで静まり返るクラブハウス前には約300名の丸山サポーターが集まり、握手とともに別れの挨拶をかわした。泣き出してしまうサポーターが何人もいる中、丸山は一人ひとりと堅く握手をかわし、その言葉に耳を傾け、直接のコミュニケーションに「おれももらい泣きしそうです」と苦笑い。握手が終わりクラブハウスに引き上げる際には「名古屋を守る盾になれ」という丸山のチャント大合唱に見送られ、何度も手を振る姿が見られた。本当にこの男、愛された選手だった。

今回はそのイベントの様子と、イベント後に行われた最後の取材コメントをお届け。これが本当に名古屋でのラストメッセージだ。

丸山祐市選手

Q:5年半の名古屋でのキャリアを終えて、今日ファミリーの皆さんとお別れの機会が設けられての今のお気持ちは。
「朝早くから並んでいただいた方もいて、こういう風に会いに来ていただいて、この時間を作っていただいて。ほんとに皆さんには感謝していますし、正直、グランパスからいなくなるんだっていう実感はまだ湧いてなくて。でも皆さんの中には泣いてくれた方もいらっしゃったので、少し、グランパスには来年はいられないんだなっていう感覚はもらえました」

Q:約300人ぐらいの方がいらっしゃいました。
「いや、ちょっと雨も降ってたので、ほんとに短時間でしか触れ合う機会というか、挨拶する機会はなかったですけど。実際に話もできましたし、目と目を見て会話もしっかりできたので、そういった意味ではすごく有意義な時間だったなと思います」

Q:グランパスで一番思い出に残ってることは。
「思い出に残っていることですか…。でも、やっぱりリリースの時に出したあの瑞穂での最終節、2018年の最後の試合は1番印象的だったなとは思います」

Q:丸山選手は練習がほんとに楽しそうなことが印象に残っていました。
「まあ、楽しい。正直、なんか楽しくなかった時もたくさんありましたけど(笑)。メンバーに、チームメートに恵まれてたってのはあると思います。そういった意味でもサッカーを楽しくできたってことはすごく良かったなとは思います」

Q:チームメイトに恵まれた、というところで言えば、このチームで得られた仲間の中で自分に強く影響を与えてくれた人、これからも大事にしていきたい仲間っていうと、どんな人を思い浮かべますか。
「いやあ…。サッカー界、どこのチームもそうかもしれないですけど、入れ替わりは激しいので。そういった意味ではミッチとか、たけちんとか、永井くんや竜司とか1回外に出て戻ってきてくれた選手もいて、そういった選手たちも含めて長く在籍している選手たちはグランパスの重みというものを知っていると思います。そういった選手が今後来る選手たちに対して、責任を持ったプレーだったり、何かしらの表現で伝えていってほしいなとは思いますね」

Q:今日来てくれた人たちはみんな、「これからもずっと応援してます」とか「名古屋に来てくれてありがとう」という感情を抱いていて、言葉として伝えてくれていました。そう言ってもらえるのはすごく自分がやってきたことに対する喜びとか嬉しさみたいなことにつながっていくと思うんです。ここでやってきた自分の仕事を、今はどう振り返りますか。
「実際にこうやって生の声を聞かないと、どういったことをやってきたかっていうのはわからない部分があったので。そういった意味でも、この5年半は僕にとってもすごい充実してましたし、それがサポーターの皆さんに、なんて言うんだろう、それをプレーで返すことができていたのは、皆さんの声を聞くことによって実感できたかなと思います」

Q:間違いなくグランパスの歴史の一部の1人だと思います。自分がこのチームに残せたものって、何があると思えますか。
「いやいや(笑)。残せた、そういう風に言ってもらえるのはありがたいけど、J1優勝とかしてたらそういった歴史の、っていう選手にというのは言えるかもしれないです。でも、残せたものは別にそうは、特にないっちゃないと思うので。僕が引退してから改めて考えたいなとは思います。でも、これからグランパスの歴史が続いていく中で、皆さんもご存じの通り2018年からすごく苦しい時があって、また今日までのすごい歴史があって。いろいろなことが起きたということでグランパスの歴史には残ったのかなと思うので(苦笑)、その時期にグランパスにいられたことは、今思えば良い思い出です。ほんと辛い時の方が多かったかもしれないですけど、でも今になったら、すごく良い思い出なので。グランパスの、そういった意味では、歴史には刻めたのかなって思います」

Q:ご自分のキャリアの中でも一番良い時でもあったのではないでしょうか。
「良い時間かと言えば、悪い、苦しい時間っていうのは全然少なかったので。ほんとグランパスには良い思い出しか正直ないです。ほんとチームメイトにも恵まれましたし、すごく良い思い出しか残ってない。その時は苦しかったかもしれないですけど、いま思い返せば良い思い出が多かったので、そういった意味でもグランパスは引き続き好きなクラブで、忘れることはないのかなと思います」

Q:これからもキャリアは続いていく中で、対戦が楽しみなクラブの一番にもなりますか。
「うーん、そうですね。なんかグランパスに対して、その時やってみないと正直、どういった感情が生まれるかっていうのはわかんないです。でもそこまで、なんかこう、打ち負かしたいとか、絶対勝ってやるっていう思いはたぶん、生まれることはないのかなっていう風に思います。それはお世話になったクラブですし、好きなクラブだから。勝負ごとなのでそういう風には言ってられないことはありますけど、そういった意味でも良い試合ができたらなっていう感覚です。『1点は許してあげる』って言ってくれる人もいらっしゃったので(笑)、その1点だけ取って引き分けが良いのかなとは思いますけど(笑)」

Q:今日がこうしてクラブハウスに来る最後の日ですか。
「そうですね、最後です」

Q:そのせいか空も悲しんでいましたね(笑)。
「いやいや、うまくまとめてくれたんですけど(笑)、実際に選手とはもう会う機会も、ここまでにイベントはいっぱいあったので、会う機会はありましたけど、こうしてクラブハウスに来るのは今日が最後です。今まで通ってきた道も最後だと思うので、感慨深いものがあります。しっかりと安全運転で帰りたいと思います」

Q:今日の帰り道はちょっと考えたりもしそうですか。
「いやいや、道は2、3種類ありましたけど、”王道”の道で帰りたいと思います(笑)」

Q:背番号3は誰につけてほしいとかありますか。
「いやいや、ないですね。もう好きな人がつけてもらえたらなと思います。僕も3は好きになりましたけど、別にそこまでこだわりはなかったというか。グランパスに来てから3にして、だから好きになったので。背番号を3にするタイミングでは別にそこまで思い入れがあったかと言えばそこまではなかったので。次の3番は誰かしらにつけていただいて、活躍してもらえたらなとは思います」

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