赤鯱新報

稲垣祥「少なくとも自分はPKになってもミッチがいるっていうところで、別に延長で決めきるのを諦めてるわけじゃないけど、そこの余裕を持ちながらプレーできたのは、やっぱりミッチ、さすがだなっていうのは思います」【名古屋vs仙台】試合後の選手コメント

■天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 3回戦
6月12日(水)名古屋1-1(PK5-4) 仙台(19:00KICK OFF/CS港)
得点者:99’マテウスカストロ(名古屋)105’菅原龍之助(仙台)
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〇稲垣祥選手
Q:PKは冷静でしたね。キーパーの手には触られましたが、打ち抜ける強さで蹴っていました。
「うん、自分の中ではギリギリまで、このタイミングまでキーパー見れば、あの強さで、あそこに蹴れば届かないっていう感覚は持ちながら蹴れていたので。まあ、想定通りでした」

Q:ピッチ状態含め、相当厳しい試合というか、難しい試合だったと思いますが。
「もちろん難しかったですけど、自分たちが何かいつもと違ったかとか、ちょっと違ったことをしちゃってたかっていうと、そうではなく。しっかりいつも積み重ねてることはしっかりやりながらで、いつものメンバーと違う中でも、そういったメンバーもチームのために闘いながらやってくれていたんで。そういったところは良かったと思います」

Q:単なる短いパスまでもつながりにくい状況が、攻撃の組み立てには相当影響があったとは思います。そのあたりは試合中にどう変えていったのでしょうか。
「あ、でもピッチ状況もちょっとずつ変わっていきました。最初のところはもう、後ろではセーフティーにっていうのは意識していたけど、ちょっとずつ水が溜まってる部分もなくなって、シンプルにボールが滑るようになっていったから、そこの動かし方とかはしっかりやろうとしました。相手もそこで守備の固さがすごくあったので、簡単ではなかったですね」

Q:選手の距離感がそのあたりで遠くなっていたのが、前半の苦戦の原因かなと思いますが、後半はそこが整理されていた気がします。
「いや、サッカーは相手あってのものなので、前半の終わりの方から相手もちょっと疲れてきて、間延びしてきて、間も空いてきて。崩れ始めていたっていう現象も起こっていたし、よくあることだと思うんですよ。前半は相手も元気で集中力もあって、堅いからなかなか崩れないけど、ちょっとずつ時間が経っていけば、自分たちもリズムを掴んでいくし、相手が疲れてきたから少しずつはがせるようになってくるっていう。よくある現象だと思います」

Q:ただ、延長まで行ったっていうのは、もちろん誤算ではあったと思います。延長入ってからの戦いであるとか、1点取ってすぐに取られたあたりはどうでしたか。
「そうですね、まあ誤算というか、延長入っても戦うっていう腹の括り方は全然できていたと思うし、そこに何かの問題はあまり感じなかったですね。ただ、失点のところは間違いなく、ちょっと一瞬サイドで隙を見せてしまったし、自分たちが遅れていたので。そこにやっぱり甘さは出たかなっていうのは感じますかね」

Q:延長に入る時、PK戦に入る時のチームのまとまりであるとか、自分の声がけであるとか、チームの雰囲気っていうのはどうでしたか。
「あ、もう全然。みんなしっかり気持ちを引き締めながらやれてたと思いますし、自分自身も、まあたまに『PKは運だから』とか、もう蹴るだけだっていう人もいるけど、もう最後までしっかり勝負にこだわって、決めきる力っていうのは、選手としての能力だと思うから。そこはしっかりみんなにも要求しながら、最後までしっかりやろうっていうのは伝えてました。実際にも全員がしっかり決めて、ミッチが止めてっていう、勝者らしい戦いだったんじゃないかなって思います」

Q:前日にPKの練習はしていたという話ですが、蹴る順番もある程度は決めていたのですか。
「いや、決めてないですよ。もう順番は今日、ぱっと健太さんが出して、やるって感じでした」

Q:5本目をランゲラック選手が止めた時の心境というか、どんな感じで見てたんですか。
「でもミッチはいつか止めるだろうなって思ってたし、5本目だったけど、止めたのももちろん嬉しかったけど、『それは止めるよな』っていうのはありましたね。それはもう、延長戦に入った時から、普通だったらJ1のチームがPK戦に持ってかれたっていうと、ちょっとネガティブなイメージとか、まあ周りの方含め、選手含めてなるところで。でも、少なくとも自分はPKになってもミッチがいるっていうところで、別に延長で決めきるのを諦めてるわけじゃないけど、そこの余裕を持ちながらプレーできたのは、やっぱりミッチ、さすがだなっていうのは思います」

Q:もちろん相手の強さも今日の結果にはあったと思うんですが、そのあたりはどう感じていましたか。
「やっぱり堅かったですね。クロスを上げても、跳ね返す力は中のDFにはあったし、セカンドバイタル取りに行こうとしても、けっこうしっかり研究されててそこは切ってきてたんで。そこで最後の崩しきるところは難しかったなっていうのはありますね」

Q:こうしたトーナメントは勝つことが重要です。
「いや、ほんとに。強いチームはどういう勝ち方だろうが勝つんで、そこは大事だと思います」

reported by 今井雄一朗

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