赤鯱新報

【赤鯱短信】何も変えず、ただ懸命に。吉田豊が体現するチームのブレない軸。


どんな時でも焦りのかけらも感じさせないプレースタイル同様に、再開を前にした吉田豊の心は穏やかだった。オンライン取材の機器の状況を気にしながら質問に答える生真面目さも、何も変わっていない。話をするのは4月3日以来のことだったが、丁寧なコメントにはつくづく“いい人”感が漂う。ただしピッチの上では彼も一人の勝負師だ。「どんな相手でもしっかり勝つということが大事」と、清水に乗り込む初戦に向けて、油断も隙もない。

20日に岐阜と、27日の土曜日には規定からすれば近隣のJ1との練習試合を行なった中では、「まだ改善すべき部分は多いし、この期間でパーフェクトにするのは難しいかも」と自身の状態を評価する。キャンプからの負傷は練習試合のプレーを見れば良好な回復具合を見せているはずだが、本人の納得するレベルには達していないのだろう。ケガなく戦い抜くと意気込みながら、キャンプで離脱してしまった不甲斐なさもあるのか、復帰のプロセスには今まで以上に慎重になっている気がする。

それは悪い傾向ではない。2月に戦線に復帰した吉田豊はこう言っていた。

(残り 1328文字/全文: 1790文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ