赤鯱新報

【赤鯱短信】“1対1”の舞台を生み出すため。前田直輝の新たな試みは、名古屋をも加速させる。

選手もチームも常に変化する、と風間八宏監督は言う。そして今、チームにはまさにその“変化”が求められている。ベースは変わらなくとも、戦い方は試合次第、選手次第だ。清水戦はその好例で、負けはしたがチームの覚悟が見て取れるものではあった。今日行われている練習試合でも、きっとその傾向はピッチに表れているはず。あらゆるものを利用して、活用して、勝利を引き寄せるのが勝者であり強者だ。ゲームコントロールと同じで、すべてを名古屋らしさの中に包み込んでしまえばいい。残る8つのリーグ戦は、ポジティブにがむしゃらな選手たちのパフォーマンスが見たいと本当に思う。

選手の“柔軟性”も上がってきている。長谷川アーリアジャスールは得意のためを作るプレーだけでなく、DFの背後を狙う動きに注力し始めた。赤﨑秀平は守備に気を遣い始め、シミッチのプレーエリアもだいぶ前にスライドしてきた印象がある。もちろん、ドリブラーというある種で意固地な性格を持つ前田直輝もご多分に漏れず、変わり始めている。今週のトレーニングの中で彼は明らかに違うドリブルとプレーを意識していた。ボールを受ける、ドリブルで仕掛ける、右から中にカットインして次の展開を作る、というのがテンプレートになりつつあった自分を見直し、具体的に言えばシンプルな縦への突破からの折り返しを選択肢に入れるようになったのだ。これは彼にとって少なくない変化あるいは決断だった。

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