赤鯱新報

【名古屋vs長野】レビュー:ポゼッションへの妄信が生んだ悪夢の敗戦。ここにきてまたも立ちはだかるのは“サッカーをする”という壁だった。

■第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦
9月3日(土)名古屋 0-1 長野(18:00KICK OFF/名古屋港)
得点者:90+4’夛田凌輔(長野)
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自分たちを上向かせてくれたポゼッションという戦術を妄信した結果が、ここ4年で3回目という悪夢の再来だった。天皇杯初戦、格下を港サッカー場で迎え撃つというシチュエーションはもはや鬼門のようにも思えてきた。だがそれ以上に今回の敗戦を誘引した要素は、現在の窮状をよく表すものだったことは見逃せない。

この日の名古屋市港サッカー場のピッチコンディションはかなり悪かった。両ゴール前とセンターサークル付近が特にひどく、芝を部分的に張り替えている箇所も見受けられた。単純なインサイドキックが跳ね回るようなピッチ状態は試合前に野田隆之介がわざわざ確認にロッカーから出てきたほど。水まきも特になく、パスは間違いなく走らない環境を試合前に間近で見た時には、いくばくかの不安がよぎったことも確かだ。つなぎに徹すれば厳しくなる。その情報は当然のごとくチームには共有されていたはずだが、状況に即した動きに乏しかったのは不思議で、残念なことだった。

キックオフから名古屋が繰り返したのは、リーグ前節のFC東京戦で手応えを得られていたポゼッション重視の戦いだった。

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