赤鯱新報

【浦和vs名古屋】レビュー:「完敗」が示す進化への道しるべ。このチームにはもっと可能性が秘められているはずだ。

■2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第9節
4月29日(金)浦和 4-1 名古屋(14:00KICK OFF/埼玉/42,547人)
得点者:25′ 柏木陽介(浦和)39′ シモビッチ(名古屋)56′ 李忠成(浦和)62′ 興梠慎三(浦和)65′ 武藤雄樹(浦和)
※今回はVTRを見てのレビューです。
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「完敗です」。試合直後に指揮官が発した第一声がすべてだ。だが、この監督は手も足も出ず、自分たちのスタイルで戦わずしての大敗にはこの言葉を使わないだろう。真っ向勝負で、負けた。惜敗でもなく、惨敗でもなく、上回られたからこその完敗は、発展途上のチームに厳しい現実を突きつけてくれた。

前半は1-1、後半が0-3。このスコアが示す通り、前半についてはまずまずのパフォーマンスを名古屋は見せることができた。小倉隆史GM兼監督は試合後の会見で「5バックといった考え方もあった」と現実的な戦いをするという選択肢もあったことを明かしたが、チームスタイルを一から構築するという現実の方を優先。すさまじいまでの攻撃と守備の連続性を誇る浦和に対し、今の自分たちをぶつけていった。後方からのビルドアップに迫りくるプレッシャーに対しては田口泰士や小川佳純、和泉竜司らのキープ力とさばきの速さでかわしつつ、シモビッチの空中戦に対するフォローアップを手厚くすることで主導権を渡さない。執拗にダイアゴナルのフィードでDFラインに裏を狙ってくる攻撃に対しては、DFラインが粘り強く対応し、難を逃れていた。守備時には相手3バックへのプレッシャーをかけるべく1トップのシモビッチとトップ下の和泉がポジションを入れ替え、和泉が3バックを追い回した。その徹底ぶりは、テレビ中継の音声にまで「竜司!!」という指揮官の声が届くほどだった。

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