赤鯱新報

【名古屋vs新潟】レビュー:2点リードの後に待っていた辛勝は生みの苦しみか。大きな可能性と新たな課題を含みつつ、名古屋が1ヵ月ぶりの勝利を手にした。

■2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第8節
4月24日(日)名古屋 2-1 新潟(13:04KICK OFF/パロ瑞穂/8,957人)
得点者:25’シモビッチ(名古屋)61’永井謙佑(名古屋)64’端山豪(新潟)
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油断禁物という言葉がよぎる、薄氷の勝利だった。全体としてみれば名古屋が圧倒した印象もある戦いだったが、勝点3への道のりはかなりの悪路ともいえる。先制し、支配した前半から、相手が盛り返す後半に失点する展開は連敗中と全く同じ。今回はそこで追加点を先に奪っており、さらにはGKの神がかったセーブと寸でのクリアがあって、ようやく勝利は転がり込んだ。田口泰士は「課題を克服したら、その後にまた課題が出た」と厳しい表情を崩さない。勝って反省できるのは良いことだが、なかなか納得いく勝ち方はできないものだ。

指揮官の決断、采配が勝利を呼び込んだところもある。小倉隆史GM兼監督はこの日のスタメンに大卒新人2名の名を書き込んでいた。トップ下に和泉竜司は試合前日の取材でもほぼ確実視されていたが、同期の高橋諒もまた、スタメンに名を連ねた。ちなみにウォーミングアップでは手持ちぶさたにしていたところで、安田理大に「お前何かせんとアカンやろ」とクロスを上げるよう促され、中央でFW役を務める背番号33に入念にクロスを入れ続けたという。安田は「チームやからね」と先輩としての優しさを見せた一方で、「ポジション争いはどこにでもある。オレはいつも火が点いているよ」と不敵だった。また、懸案のGKは「任せてある」と信頼を置くジェルソンGKコーチの判断を尊重し、武田洋平を選択。ジェルソンGKコーチは「ナビスコカップで武田は出場して、結果を出した。だから続けて使う。ダメならまた変える」と、甲府戦でのスクランブル出場を務めあげた実績を評価したと語った。彼らは結果として、この試合の主要キャストとなってみせた。

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