赤鯱新報

楢崎正剛600試合出場記念スペシャルインタビュー 第1回:自分は常に「最後の砦」

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2015年のJリーグでチャンピオンシップと遜色ない話題をもって報じられたのが、われらが楢崎正剛のリーグ通算600試合出場という大記録の達成だった。今回はオフ特別企画として、「月刊グラン」で掲載された記念インタビューをノーカット版でお届け。7ページにわたる「グラン」本誌でも載せきれなかったボリュームたっぷりのインタビューを、全4回に分けて掲載する。

Q:21年目で600試合という“場所”を通過したわけですが、年に30試合平均で出場を続けているという事実を改めて振り返ってみると?
「振り返ることはね、基本ないでしょ。そんなにね。昔の映像をどこかで見ることはあるけど、憶えてない。でも(取材などで)こんなに目にすれば、思い出すわ(笑)。ただそうやって何かの機会がなければ思い出さないし、忘れている。いろんなことを忘れてるんです。キャリアの最初の方は失点をすべて憶えていたけどね。特に最初の2年や3年とかは。失点した形とか、場面とか。でも、さすがにもう忘れた」

Q:しかし守備は経験がものをいうポジションです。「この形、見たことあるぞ」と試合中にフラッシュバックすることはあるのでは?
「うーん、まあ、同じようなやられ方してんな、というのはあるけど。でも意外にまったく同じ場面というのもそんなになくて」

Q:この形はやられたことがあるぞ、という意識のアラームはあるんですか?
「そういうのはある。警戒する。1回やられると、次はこうしないでおこうとか。ほんとはそれだとプレーが縮こまるんじゃないかと思うけどね。大胆さがなくなったりとか。まあ、そうならないようにと思ってやってはいるけど」

Q:大胆さを失わないように、逆に意識すると。
「その判断はやっているね。とか言いつつね、相手の方が上回ったりもするしね。わかっていてもやられるということもあるし、それでも油断しているな、ということもある。集中できているか、いないか。そこはメンタルの問題になってくる」

Q:すると試合への集中力の持っていき方、保ち方などはキャリアの初期は少し散漫だったりもしたんですか?
「別に散漫だったわけではないと思うけど。まあ、でも11人が同じことを考えているわけではないから。僕らがどれだけ経験してきても、『こういうのは当たり前だろう』と思っていることがまだわからない選手もいるし。そういうことはちゃんと伝えていかなきゃいけないとは思うけどね。そのためにはチームとして成熟しているか、というのが大事になってくるし。その中で経験を活かすという形にならないと、何もない中では経験を活かそうにもわかりづらい。もしかしたら怒鳴ってばかりになってしまうかもしれない」

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