赤鯱新報

【1/19始動初日練習レポート】いよいよ2015チームが始動!西野朗監督は「メンバー31人全てがJリーグ経験者。可能性を感じる」と手応えのコメント。(1584文字)

新体制発表会から一夜明けた1月19日、ついに名古屋グランパスの2015年シーズンが始まった。新たな1年を戦うメンバーは3人の新加入と1人のレンタルバックを加えた31人。年末に膝の手術に踏み切った楢崎正剛や昨季を負傷の治療に費やした野田隆之介、家庭の事情で合流が遅れている田中マルクス闘莉王、それ以外のメンバーはすこぶる明るい表情で久々の練習ピッチに姿を現した。
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この日のスケジュールはまず全体ミーティング、チームの集合写真の撮影と“恒例行事”ののちに練習がスタート。2年目の指揮を執る西野朗監督は「3月7日の開幕まで7週間ある。例年よりも準備期間がある中で、ひとりではなくコンビネーション、グループで仕事ができるようにしていこう」と訓示。昨季とは打って変わって短時間で話を切り上げ、トレーニングが始まったあたりは、チームとしてのルーティンが1年間で浸透されたことを実感させた。
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■注目の新外国人ノヴァコヴィッチは・・・
トレーニングは初日ということ、そして翌日から2日間に渡りフィジカルテストが予定されていることもあり、ウォーミングアップ的な内容のものに。輪になりボールを使って全員が声を掛け合いパスを交換する練習をしばらく続けたのち、GKも加わって全員によるミニゲームが行われた。ポジションはバラバラ、ミニゴールの前にはマーカーで攻撃側が入れないゾーンが設けられただけのフリータッチゲームはレクリエーション要素も強く、選手はみな笑顔で新ボールの感触を確かめた。注目の新外国人ノヴァコヴィッチも周囲とのコミュニケーションを優先している様子だったが、時に見せるキレのある身のこなしは、さすが現役のスロベニア代表といったところ。

■練習を盛り上げるFW永井「オレの元気を分けてあげようかと思って」
時に爆笑さえ生まれたミニゲームで存在感を放っていたのは今季より背番号11を背負う永井謙佑だ。FWの位置に入った後輩の牟田雄祐がシュートを外すたびに「オレのアシストつかねーじゃねえか!」と茶化し、相手のミスも大声で指摘する。強い言葉でも愛を感じるのは彼のキャラクターならでは。永井は昨季終盤から練習中の声が目立つようになっていたのだが、それは彼の中心選手としての自覚の芽生えと同期する。「チームが暗いんで、オレの元気を分けてあげようかと思って」と話していた男は、誰よりも走り、ゴールを目指し、感動的な昨季最終節のゴールを決めるまでに成長した。その覚悟の表れの一つが、練習を盛り上げる積極的な声出しなのである。
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■「ベースは昨シーズンの後半の戦い。攻撃と守備のバランスを取った上で、精度を上げたい(西野監督)」
練習後、報道陣に囲まれた西野監督は昨季同様の“西野節”で応対。「闘莉王が合流していないのは残念だし、楢崎と野田が別メニューではあるけど、あとの28人は元気で、思いのほかフレッシュで軽快。良いスタートが切れました」と満足げ。次週から始まるタイでの一時キャンプに向けてを問われると、次のように答えた。

「選手たちは60~70%のコンディションだが、フィジカル面は慌てるつもりはない。グループとしてのパフォーマンスが出せるように、気持ちと個人のテクニカルな面、戦術面をしっかり取れるように持って行きたい。ベースは昨シーズンの後半の戦いで、悪くなかったと思う。攻撃と守備のバランスを取った上で、精度を上げたい。特に前半戦では崩れたところで失点しているところがあったので、そこは強く修正していきたいですね」
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■「ハードワークをしっかり取れれば、間違いなく昨季以上の成果は挙げられる(西野監督)」
今季の目標については「正確な目標設定が必要」と明言を避けたが、「新加入選手で両ボックス(ペナルティエリア)のクオリティは上がる。ハードワークをしっかり取れれば、間違いなく昨季以上の成果は挙げられる。積極的にトップ争いができるようにしていきたい」と新チームの陣容には手応えを口にした。昨年は新人含め一度は全員が公式戦に出場しており、指揮官は「31人全てがリーグ経験者。可能性を感じる」ともコメント。昨季以上の期待感を抱かせるチームが、ここからどのように進化していくかを楽しみに見守りたい。

reported by 今井雄一朗

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