吉田明宏社長がサポーターに決意表明/【#オフログ】
J1第9節の浦和戦を前に、吉田明宏社長がサポーターに今後の方針を説明した。
4月5日のルヴァン杯第3節浦和戦の試合後に、川崎華族が掲出したフロント批判の横断幕の内容を受けとめての行動だった。
説明の内容は、フロンターレの根本が「地域密着、地域貢献」にあるということ。それを「今後もしっかりやっていこうというのが、社員の総意になりました」と伝えたとのこと。
また具体的には社員それぞれが街に出て、ファン・サポーターとともに地域密着の活動を行っていく、その手伝いをお願いしたとのことだった。
吉田社長の説明を受けた川崎華族の海人は、「よかったと思います」としていた。
なお、吉田社長は、横断幕が出た直後は「本当に自分としては残念な気持ちだったんですけれども」としつつもクラブを取り巻く現状認識のため多くの関係者と会話したという。
「いろいろな川崎に関わる方と話をしたり、それからもちろんサポーターともお話をしましたし、社内の若手、ベテランを含めて話をして、みんなどう思っているのか、ということを話しました」
その結果が社員全員で街に出てていくという活動方針になったという。
実際に先日も吉田社長自らがタペストリーを交換する商店街に足を運び、自らも作業。その中でサポーターと直接会話するなどしていた。
また、選手の中には「社長、俺たちも街に出るからね」と伝えてくる選手もいたとか。さすが、フロンターレの選手たちだ。
なお、クラブが街に出られなくなったきっかけはコロナで、吉田社長もその最中の着任になってしまったということで同情するべき余地はある。更に言うと、横断幕の批判を真摯に受け止め、「地域密着、地域貢献」のクラブの原点に戻ることを決めるまでの行動力は立派だとも思う。
今季は必勝祈願後の商店街あいさつ回りが復活。
また5月8日を境にコロナの扱いが代わり制限が緩和される。それに伴いファンサービスも再開が予定されている。そうした変化の中で、改めて地域に愛されるチームへの回帰を進めてほしいと思う。
最後に余談になるが、吉田社長は川崎華族の太鼓担当から非礼なつぶやきを直接謝罪されたとのこと。吉田社長は、そもそも「怒っていないよ」と苦笑いされていたが、関係性は元に戻ったと見て良さそう。コロナをきっかけにいくつかの要素が絡まり起こってしまった今回の騒動は、問題点がリセットされた。
スタート地点に戻ったフロンターレの今後に注目したい。
(取材・文・写真/江藤高志)