赤鯱新報

【赤鯱探訪】阿部翔平編①「愛知県に恩返しがしたかった。今がそのタイミングだったのかな」

阿部翔平
(2006~2013 名古屋グランパス所属)

まだまだ現役、しかしその思考は指導者あるいは伝導者の薫りが漂う。41歳になるシーズンに新天地として選んだのは名古屋グランパス時代から馴染みの深かった愛知県に決めた。知多社会人リーグ所属の「C GROSSO知多」の一員として踏み出す新たなる一歩は、単なる社会人リーグのいち選手に留まらず、広く深く愛知県のサッカーにかかわっていく心づもりも多分に含まれている。所属チームを勝たせながら、目指すはこの地域のサッカーの底上げに先鞭をつけること。途中からは彼のサッカー観の話ばかりになってしまったが、それもまた今の彼らしさの表れとして、存分に楽しんでいただけたらと思う。

赤鯱探訪・阿部翔平編①
「愛知県に恩返しがしたかった。今がそのタイミングだったのかな」

Q:愛知県へおかえりなさい。以前にお話しを聞いたのは2022年のことでした。SHIBUYA CITY FCの選手兼監督の頃ですね。まずはそこから今回の決断に至った部分からお聞きしようと思いますが。

「そうですね、最後に選手だけやって、SHIBUYA CITY FCでのプレーは終わりですね。一応、契約満了というかたちで、その中ではいろいろとチームも進んでいく中で、もう、っていう言い方もおかしいですけど、もう一段落したのかなっていう風に思います。今のチームはJリーグでやってた選手たちが来くれるようになっているから、もうやることはない、というわけじゃないですけど(笑)、その選択肢のひとつになるぐらいのチームになったということは確かだと思うんで。だったら、自分にはまた、もっとやれることもあるかなとは思いつつっていうのはあって、今回こうやっていろいろ探すに至ったって感じです」

Q:自分の中でもひとつのサイクルが終わったような感覚も?

「それはありますね。本当に何もなかったところから、チームと言えるようなところまでは持っていけたと思うので。その上を目指す準備と体制というか、それは一旦整ったかなっていう風に思うんで。あとは頑張ってくださいというか(笑)。そこを手伝えない部分にはちょっと思うところもありますけど、やっぱりチームは若返っていくものでもあるし、こういう結末もあるのかなと思って。やり残した感はないですね」

Q:なるほど。今回の決断に至るまでにもいくつか選択肢があったのだと思いますが。

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