「チーム力向上を感じさせる勝利。ターンオーバーしても2位・北九州に続いて首位・長崎も撃破で3連勝」【甲府2020明治安田生命J2リーグ第18節 甲府2-0長崎 レビュー】
2020年9月9日 甲府2-0長崎(19:45K.O/山梨中銀スタジアム/入場者数 1,911人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き)/天候 曇 弱風/気温 24.7℃/湿度 86%)
得点者 19′ 中村亮太朗(甲府) 62’泉澤仁(甲府)
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「ターンオーバーしながら2チーム構成で2位(北九州、3-0○)、1位(長崎、2-0○)に連勝できているんだからチーム力は上がっている」と試合後に藤田優人が言ったが、まさにその通り。完全ターンオーバーではないものの、その時点の2位と1位を複数得点の上に無失点で撃破したんだから素晴らしい連勝。
雷雲が山梨中銀スタジアム付近にあったために45分遅れで始まった首位・長崎戦。最初の印象は”北九州とは勝手が違う“というもの。相手もこちらのメンバーも違うので同じにはならないものの、ポゼッションではアンカーに上がる山本英臣が長崎のツートップの間で思ったようにボールを受けることができなかった。そんなことを思っていたら16分に左サイドから右SBの毎熊晟矢に入れられたクロスがあわやで氣田亮真に合いそうになりヒヤリ。これがストーンと決まっていたらどうなったか分からないが、直後に甲府が先制する。
ワントップの金園英学が激しいマークを受けてなかなかボールを収めることができていなかったが、中村亮太朗がアクロバティックに繋いで金園が裏に走ったところでCBがスライディングチャージして得たCKが起点。今節から許可された手拍子が響く中で藤田が蹴ったボールが中央で中村に合ってヘディングでドーンと一発ゴール。本来は中村が相手DFのニアの選手のところに寄せてストーンを牽制する予定も、狭い中でマークにあって行けなかった。「僕が囮になって行く予定が、掴まれて行けなかったけどいいところにボールが来ました」という、狙い通りではなくても決まった先制ゴール。中村はかわいい顔してヘディングが強い。
一方、CKからのアシストが4点目となった藤田は、「連戦の中でもコーチングスタッフが寝ないで分析してくれていることを信じて蹴っただけ。今でも自分がキッカーに向いているとは思わない。決まるのは中に180センチを超える選手が多いから。180センチを超えないのは俺と(泉澤)仁と何人かだけで、中の選手に対しては嫉妬しかない(笑)」と話す。藤田が”向いてない“と思うのは中村俊輔(現・横浜FC)、ジョルジ・ワグネルと横浜FM、柏時代にチームメイトで、その凄さを間近で見てきたから。「あの2人は俊輔さんが“柔”のキックで、ジョルジが“剛”のキック。俊輔さんは“足のどの指に当てて蹴るか”というところまで細かくやっていて、自分にはできない」と話すが、18試合で4アシストなんだから中村俊輔も“凄いね”と言うはず。
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