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【広島 1-1 千葉L】何もかも足りなかった前半と勇気を取り戻した後半

レジーナが勝てる、タイトルをとれると思っているのは、もしかしたら応援する側だけだったのだろうか。

台風のために順延され、9月20日という平日のナイターとなってしまったにもかかわらず、熱心なファミリーたちがつめかけて必死に手拍子を続けた。彼ら・彼女たちは、「レジーナならやってくれる」と思って、期待して来てくれていたはずだ。

だが選手たちは、そんなことを現実的な感覚として思っていなかったのだろうか。

そういうものなのだろうか。

そんな想いを払拭してくれたのが、中村伸監督の会見だった。

選手たちとハーフタイムも含めて話をしてきたのは、前半に関してはチームを立ち立ち上げてから一番中身がないというか、ピッチに立つ資格のないプレーをしていたということ。ピッチに立つということの責任というか、悔しい思いしてピッチに立てない選手たち、チームメートがいる中で、そういう部分をもう少し噛みしめて理解して、ピッチに立たないといけない」

いつもどおり、静かな口調。だが、ここまで彼の試合後の会見にはほとんど(ZOOMも通して)出席してきたが、これほど大きな怒りを感じさせたことはない。怒りという言葉が正しくなかったとしたら、憤りというか、哀しみというか。

「後半のように、レジーナ本来の姿を見せてくれれば、主導権を握ったサッカーの中で自分たちが積み上げてきたものを示せる。それだけの力があるんだということを示してくれる。後半のアディショナルタイムで追いつくしぶとさ・粘り強さも見せられるようになってきた。だからこそ、ピッチに立つということの意味を、もう少し本気で理解してほしい。私自身もそういう想いを伝えて選手たちを送り出してあげるようにしなきゃいけない。こういうことは、二度と繰り返してはいけないという印象です」

同様の印象を、この試合で何度も決定機を防ぎ続けた福元美穂からも受けた。

劇的なアディショナルタイムで飛び出した谷口木乃実の同点ゴールで、1年ぶりに公式戦復帰を果たした増矢理花の素晴らしいプレーで、もっと雰囲気が沸き立ってもいいはず。なのに、数々の修羅場をくぐり抜けてきた彼女から、いつもは「仏様」と呼ばれるほどに温厚な彼女から、激しい感情が溢れだした。

もう本当に、何もかも足りない。まず戦う姿勢。ピッチに立てるメンバーは本当に限られているんですけども……。本当に、本当によくない戦いをしてしまった。ピッチに立てない選手、メンバーに入ってない選手がいる中での試合なんです。だからこそ、ピッチに立つ選手は本当に責任を持って戦わなきゃいけない。だからこそ、ピッチに立てない選手が納得するようなプレーをしないといけない」

二人が発した厳しい言葉によって、逆にレジーナに対する期待は高まった。

少なくとも指揮官は、そして絶対的守護神は、このチームがタイトルをとれる可能性を信じている。信じているからこそ、もっとできると思っていたからこそ、あえて厳しい言葉を吐いた。

そう感じることができたからだ。

(残り 2012文字/全文: 3245文字)

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