「川崎フットボールアディクト」

不利な状況を跳ね返してのドロー決着/J1 第31節 vs柏【レポート】

J1 第31節
10月29日(日)(15:03KICKOFF/柏/12,540人)
柏 1 – 1 川崎

■遠征を感じさせないプレー

脇坂泰斗は試合後、ACLのタイ遠征とその疲労について、面白い表現をしている。

「移動とかあって疲れはありません、とは言えないですが」との本音を口にする脇坂は、「(疲れを)忘れる作業っていうのは、すごい大事で」と述べる。すなわち「そこに(意識を)持っていかれ過ぎない」ということ。人である以上、多少なりとも疲労感が残るのは仕方ない。ただしそれに囚われすぎてはいけないということ。それがACLを戦うチームには必要で、それが慣れなのだという。

「こうやって遠征を続けて行く上で(忘れることが)大事だとは思うので。そこに関しては慣れというか、こんな感じだったというか、慣れてきてます」

その脇坂の総走行距離は、両チームの選手の中で、橘田健人に次ぐ2位。もちろん後半54分に遠野大弥が退場するという試合展開が影響したのは間違いないが、疲労が残っているはずの試合でもきっちり走り切る姿勢には頭が下がった。

その脇坂は試合終了間際の90+4分に柏のGK松本健太に対しフルスプリントを敢行。ボールを奪う直前にまで肉薄し、あわやという守備にピッチを叩いて悔しがった。

「あれは、タイセイ(宮代大聖)に自分が出して、(宮代から)悠さん(小林悠)に出したんですが、そのパスが流れて、多分キーパーに下げるなと思ってたんで。予測して走ったんですけど」

ちなみにこの場面、小林へのパスがスペースに流れ古賀太陽がカバー。脇坂は古賀がGK松本にバックパスすることを予測して、フルスプリントを掛けている。その脇坂のプレスが視野に入ったのか、松本のトラップが大きくなっており、それも肉薄できた一因となった。

「トラップがでかくなったんで、行けるかなと思ったんですけど。キーパーの選手が、冷静にプレーしたので」

試合終盤までアラートさ(気を配り続ける)を切らさなかった脇坂の執念と、疲れているはずの後半アディショナルタイムのフルスプリントは見事だった。

なおタイ遠征については橘田も「言い訳にしてはいけない」と思っていたと発言。国をまたいだ連戦を受け入れた上で「連戦でもベースのところはもっとやらないといけないですし、プレーの質のところももっとやらないといけないなと思います」と述べ、プレーの質の向上こそが必要なものだと指摘している。

■同点ゴール

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