「川崎フットボールアディクト」

きわどく追いついて勝ち点1。首位との勝ち点差が縮まるドロー決着/J1 第23節 仙台vs川崎【レポート】

J1 第23節
8月17日(土)(19:03KICKOFF/ユアスタ/17,860人)
仙台 2 – 2 川崎

■3バックの仙台
うなだれてミックスゾーンに姿を表した田中碧は、試合の全体像を問うた質問に対し「毎回感じますが、自分の力が足りないなと思います」と話し始めた。真っ先に自らの責任を口にしたのは、2失点目が念頭にあるのかもしれない。

その2失点目について聞いた時、田中の声が一瞬涙声に変わったように聞こえた。気のせいだったかもしれないのは、すぐに落ち着いたから。そして時間をかけて言葉を選びながら「そうですね。個人として、もっと…、なんだろう。基本的な部分というか、シンプルにゴールから守るというのをやらないといけないと思います」と自らのプレーを振り返った。うなだれるような状態なのだから無理に取材対応しなくても誰も咎めはしないが、それでも問われれば答える誠実さが田中にはある。

その田中は当初、英雄だった。前半23分の阿部浩之の先制点の場面。マギーニョからのパスを引き受けた田中は、大島僚太のようなボディバランスで相手を剥がし、リターンパスをもらえるよう意識しつつ阿部にパスを出した。阿部がシュートを選んだことで、結果的にアシストとなったこの得点は田中の個人技あってのものだった。

ボランチの前への推進力が、試合を動かしていた。

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