【記憶と取材メモから紐解く中東の激戦プレイバック:ACLvsアルイテハド】第2戦:美しいオーバーヘッドも空砲。アジアの壁は高かった。
9年ぶりのAFCチャンピオンズリーグがいよいよ来週に開幕する。前回に名古屋グランパスが参戦したのは2012年のことで、あの時からACLも随分と様変わりした。しかしアジアの厳しさ、Jリーグとの違い、戦いに求められるたくましさなど変わらぬものもまだまだ多く、振り返って損をすることなどないはず…。ということで、記憶と手元に残った取材メモを頼りに、クラブのACL史上屈指の激戦だった2009年の準決勝、アルイテハドとの2試合をここにプレイバックしてみたいと思う。9年前のグランパスは初のACLをいかに闘ったのか。久々のアジアを戦う現チームにも、必ずや参考になることがあるはずだ。
2-6の大敗をアウェイで喫した名古屋グランパスに突きつけられたのは、4点差以上の勝利という厳しい条件だった。だが、ケネディと中村直志が執念で奪い取ってくれた2つのアウェイゴールが、その厳しさを軽減してくれていたことは見逃せない。開始7分で10人になったチームは、残り15分で4失点を食らったが、前半のうちの2得点がなかったら展開はもっと悪くなっていた可能性さえあった。非現実的なスコアになれば、国内リーグへと完全に目的を切り替えていたかもしれず、そうなれば要らぬ批判も増えたことだろう。アウェイゴールの重要性はJリーグにはないACLならではのものであり、得点を奪う作業の価値は増すとも言える。
(残り 2304文字/全文: 2912文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ