赤鯱新報

【2017シーズン全選手レビュー】酒井隆介: 頭脳派にして俊足のDFは実力を発揮できず。悔しすぎるシーズンを終え、既にその目は次の戦いへ。

DF36 酒井隆介
J2リーグ10試合759分出場1得点

スピードに自信を持つフィジカル系の選手でありながら、インサイドワークにも特徴のあるセンターバックである。誰が何と言おうと、酒井隆介という選手を説明するならば、そう言える。しかし今季の彼はそういった特徴を出しきるためのベースを築くことができなかった。新たな監督のもとで初めて出会う個人重視の守備セオリーは、組織と連係こそが守備の個を輝かせると信じてきた男にとって、最大級の難題だったのである。

かつては京都で大木武現岐阜監督のもとで薫陶を受け、パスサッカーに対する免疫や慣れはあると意気込んで臨んだシーズンだった。プレシーズンから序盤は単純な技術面で後れを取ってメンバー外の日々が続いたが、地道な努力で止める、蹴るの基本を身につけ、様になってきたなと思った矢先の4月に試合メンバー入り。“デビュー戦”のホーム山口戦では「持ってないわー」と敗戦に頭をかいたが、翌節のアウェイ群馬戦では苦しい戦いに優位性をもたらす先制のスーパーミドルを叩き込み、チームを勝利へ導いた。俊足を生かしたフォローを得意とする選手だけに、シャルレスや櫛引一紀、練習でも大武峻など様々なタイプの選手を相棒に立ち回れる柔軟性も普段からアピールはできていた。アウェイ横浜FC戦で見せたワシントンと連係してのイバ封じなどはその最たるもので、酒井の持ち味が存分に発揮された上に勝利したことでも良い記憶の一つだ。

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