縦に紡ぎし湘南の

【C大阪vs湘南】プレビュー:「初陣」

■天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会ラウンド16
8月2日(水)C大阪vs湘南(19:00KICK OFF/ヨドコウ)
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4日間の御前崎キャンプを含め、中断期間の充実がそれぞれの表情に窺える。「いままでできていたことができなくなっていたので、もう1回見つめ直した」そう大野和成が語れば、杉岡大暉も「ベースの考え方をもう1回、より細かくやっている」と実感を口にした。攻守の切り替えやボール状況に則したポジショニング、攻撃の緩急、相手を見て判断すること――結果から遠ざかるなかでいつしか薄れていた自分たちの土台を彼らは再確認している。

照りつける陽射しのもと、ピッチに漲る集中力が眩しい。杉岡はチームに宿る前向きな空気を「覇気」と表現した。

この夏には新たな顔ぶれも加わっている。鹿島からキムミンテが、清水からディサロ燦シルヴァーノがそれぞれ加入した。またベルギー1部KVコルトレイクに期限付き移籍していた田中聡も1年ぶりに復帰した。

「楽しかったし、充実しました」田中はキャンプを振り返り、チームの進化に言及した。
「以前いたときよりも周りのスキルが上がっているとすごく感じました。運動量だったりタスクも増えているので、自分ももっとやらないといけない」

基準の遂行と新たな化学反応が期待される中断明け、その幕は天皇杯によって開かれる。4回戦で対峙するのはC大阪だ。

対戦成績は分が悪い。通算18勝5分22敗と黒星が先行し、5月のリーグ戦も0-2で敗れている。昨季もリーグとルヴァンカップをあわせて1分3敗と一度も勝てていない。週末にはリーグの再開も控えており、メンバーを含めて勝負の行方が注目される。

中断期間の取り組みを踏まえ、主将の大岩一貴は言う。
「再確認はできたけど、結果で表さないと意味がない。ただその準備はできている」

初陣となる一戦、培う基準を追求し、内容と結果を手繰り寄せたい。

reported by 隈元大吾

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