縦に紡ぎし湘南の

【1/31福島ユナイテッド戦】レビュー:確かめ合ったチームのスタイル。今週始まるトルコキャンプで連係をより高めていく。

1月31日、「KIDS GUARD SHONAN フットボールフェスティバル2015 Presented by FIELD MANAGEMENT」が行なわれ、湘南は提携する福島と対戦、BMWスタジアムでの今季の初陣は1-1で決着した。
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「だいぶ予想はしていましたけど、それよりもちょっときついです」山田直輝が茶目っ気交じりに語ったように、13日の始動以来厳しいトレーニングを積んでいる湘南である。また「BMWスタジアムに慣れてもらう」という曺貴裁監督の意図のもと、この日のメンバーには新加入選手も多く名を連ねたなかで、疲労の蓄積とともに、攻守の連係の部分もまた当然ながら今後プレーを重ねて研いでいくことになる。

そんなプロセスにあって、まず酌むべきはピッチ内の意図だろう。「新加入選手を含め、チームとしてやりたいことをまずはみんなでやろうとしていたと思います」遠藤航は言う。
「大事なのはチームの意思統一。そこは声を掛けながら、守備の行くところと行かないところをハッキリさせながらやりました。もちろん課題はありますが、前からのプレスや切り替えは悪くなかったと思うし、ハマった場面も何回もありました。そういうプレーをどんどん増やしていきたい。ボールを奪ったあとのクオリティも詰めていければと思います」

ゲームは立ち上がり間もない4分、福島がクロスから先制に成功した。一方、湘南も次第にポゼッションを高め、ゴール前の勝負に持ち込んでいく。そうして78分、敵陣で小気味よくパスを繋いだ先で、古林将太のクロスにアリソンがヘッドを合わせた。

「…きついですけど、そういう環境に自分の身を置きたいという想いもあったので、すごく充実感を覚えています」山田は前述の言葉からこんなふうに続けている。
「今日も試合をやってみて、体力面やゲーム感覚はまだまだだなという気はしますけど、トルコキャンプで練習試合をいっぱい入れてくれているので、そこでガンガンやってアピールしていきたい」

湘南のトルコキャンプは昨季に続いて2回目となる。情報もとくにないなか、選手たち自身がピッチ上で相手を感じながら、実戦を通して呼吸を整えていく。「自分たちが大事にするかたちを全員で磨いていくのが我々のスタイル。去年同様トルコでしっかりコンビネーションを高めていきたい」指揮官は言う。思えば昨季も、選手たちは折に触れキャンプの成果を口にしたものだった。湘南の紡ぐ縦はここから加速する。

reported by 隈元大吾

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