ニイガタフットボールプレス

☆☆☆無料記事☆☆☆「すばらしいスタート」【マッチレビュー】~明治安田生命J1リーグ第1節vsサガン鳥栖~

試合開始早々に先制された開幕戦。しかし選手たちは新潟のスタイルに徹しながら状況をコントロールしていく。前半終了間際に谷口海斗の豪快なゴールで追いつくと、勢いを加速させた後半、CKから新井直人のゴールでついに逆転。終盤は鳥栖の反撃に押し込まれる場面もあったが、集中した守備で勝利をつかみ取った。

明治安田生命J1リーグ第1節/サガン鳥栖 1-2 アルビレックス新潟
■2024年2月24日@駅前不動産スタジアム
■得点者/[鳥栖]福田晃斗(5分)、[新潟]谷口海斗(45+3分)、新井直人(54分)

■PKストップ直後に逆転に成功

駅スタに乗り込んだ新潟は谷口海斗がトップ下に入る4-2-3-1で布陣。ゲームキャプテンは今季、副キャプテンの新井直人が務めた。新加入の宮本英治が右ボランチで先発、長谷川元希がベンチ入りした。ホームの鳥栖は4-1-2-3で試合のキックオフを迎えた。

試合は早々に動く。5分、ゴール前で秋山裕紀のクリアが小さくなり、前新潟の福田晃斗に放たれたシュートが舞行龍ジェームズに当たってコースが変わり、先制を許す。さらにマルセロ・ヒアンが7分、パワフルなドリブルで持ち上がり、ポストをたたくシュート。8分にはスルーパスに抜け出し、枠は捉えなかったが、間合いを詰める小島亨介をかわすループシュートと、10分過ぎまでピンチが続いた。

先制後、守備時は4-4-2でコンパクトに守る鳥栖に対し、新潟は機を見て右センターバックの舞行龍が左へ、左サイドバックの新井が右へ大きく展開し、揺さぶりをかけていく。さらに下りてきた谷口が積極的にビルドアップに関与。チーム全体でパススピードを上げながら流れをたぐり寄せていった。26分、左クロスをマルセロ・ヒアンに折り返され、ゴール正面でフリーの長沼洋一に狙われるピンチとなったが、トーマス・デンもよく寄せて、長沼の反転シュートは大きく枠を外れた。

30分以降、右サイドハーフの松田詠太郎が得意のドリブルで仕掛けてチャンスが続く。36分、DF丸橋祐介の股を抜き、突破した松田のクロスから鈴木孝司が倒れ込みながらのシュート、37分には再び松田のクロスから鈴木がヘディングシュートと、得点には至らなかったが鳥栖ゴールへの圧力が増す。すると45+3分、宮本が前線のスペースに出した浮き球パスに谷口が反応し、抜け出してペナルティエリア手前から右のハーフボレーで豪快にネットを揺らし、1-1でハーフタイムを迎えた。

後半は立ち上がりから新潟の攻勢が続く。46分、カットインした松田の左足で巻いたシュートは鳥栖GK朴一圭にセーブされるが、49分、小見洋太の左CKからのDF山﨑浩介のプレーがVAR、オンフィールドレビューでハンドの判定となり、PKを獲得。しかし名手・鈴木のキックは左に飛んだ朴に止められ、勝ち越すことができない。

だが、勢いは止まらなかった。PKストップ直後の54分、小見の右CKをニアで鈴木が頭で触ってコースを変え、ゴール正面に飛び込んだ新井が頭で合わせてついに逆転に成功する。

さらに58分には、谷口のパスから抜け出した鈴木が朴との駆け引きを制し、ゴール中央に豪快に蹴り込む。しかしVARチェック後、鈴木のオフサイドでゴールは認められなかった。

鳥栖は選手交代を絡めて反撃に出てくるが、新潟も集中を切らさず、強度の高い守備を貫き、応戦。長谷川元が交代出場した終盤には、左サイドの高い位置でボールを保持する意識が改めて強まり、鳥栖に付け入る隙を与えず勝利した。

すばらしいスタートを切った2024シーズン。何よりも、ここからさらに良くなっていく新潟のサッカーが、楽しみで仕方ない。

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