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☆☆☆無料記事☆☆☆「ニイガタスタイルは崩れない」【マッチレビュー】~明治安田生命J1リーグ第4節vs東京ヴェルディ~

強烈な直接FKを決められ、早々に先制を許した新潟だが慌てない。反撃に出る分、浴びたカウンターの危機にはGK小島亨介が立ちはだかる。すると32分、谷口海斗がCKから頭で決めて同点に。さらに後半、3枚替えで攻撃のギアを上げ、交代直後、相手のミスを逃さなかった長倉幹樹の今季初ゴールで逆転に成功する。しかし終了間際に東京Vの厚みのある攻撃を受けて失点。2-2で引き分けて、今季初の連勝とはならなかった。

明治安田生命J1リーグ第4節/東京ヴェルディ 2-2 アルビレックス新潟
■2024年3月16日@味の素スタジアム
■得点者/[東京V] 山田楓喜(8分)、翁長聖(90分)、[新潟] 谷口海斗(32分)、長倉幹樹(69分)

■勝利を決定づけるチャンスはあった

新潟は4-2-3-1で布陣。前節・名古屋戦で加入後、初先発&新潟デビューを果たした小野裕二はメンバー外となり、谷口が2試合ぶりに1トップで先発した。また2月に急性虫垂炎で手術を受けた太田修介が今季初めてメンバーに入った。16年ぶりにJ1を戦う東京Vは4-4-2を採り、前節・C大阪戦から先発1名が変更となった。

立ち上がりは東京Vの前からのプレッシャーを受け、それに応戦する展開に。状況を見極めている8分、ゴール正面で与えたFKは約30メートルの距離があったが、U-23日本代表に選出されている山田風に左足で直接決められ、先制を許す。

しかし新潟は慌てず、ボールを動かしながら相手陣へ押し込んでいく。舞行龍ジェームズ、トーマス・デンのセンターバックも相手陣内に入り、クリアを回収して攻めを繰り返す新潟の時間が続く。

その分、カウンターのピンチもあった。22分にはデンが足を滑らせ、背後を突かれたが、U-23日本代表の染野唯月のシュートは小島がストップ。小島は27分に受けたカウンターの場面でも、見木友哉の鋭いシュートをしっかりはじき出した。

連続したカウンターのピンチをしのぐと、32分、セットプレーから追いつく。高木善朗の高精度の左CKをファーで頭で合わせたのは谷口。叩き込むというより、ライン手前でのバウンドを狙ったかのような得点で、開幕・鳥栖戦以来の今季2点目となった。

新潟は67分の3枚替えで、さらにギアを上げる。1トップに長倉、2列目のトップ下に長谷川元希、左サイドに太田が入った2分後、長倉が相手のバックパスをカット。出てきたGKマテウスの左肩口を射抜く。

長倉の今季初ゴールで逆転に成功した新潟は、1点のリードを守るよりも、3点目を取って勝負を決めに行く。

実際、そのチャンスはあった。74分にはGKマテウスにセーブされたものの、長谷川元が鋭い直接FKで東京Vゴールを脅かす。87分には途中出場で右サイドバックに入った新井直人のクロスを受け、長倉が胸トラップからの豪快なボレーシュートを狙う。

だが追加点を奪えず、東京Vの闘争心を完全に折り切れないまま迎えた90分、総力を挙げての反撃を浴びる。中央の見木からサイドに展開されるとスライドが遅れ、途中出場の右サイドバック、宮原和也にフリーでクロスを上げられる。ゴール前の混戦で見木が触ってコースが変わったボールは、逆サイドから走り込んだ、こちらも途中出場の翁長のもとへ。そして完全にフリーだった翁長に、土壇場で手痛い同点ゴールを決められる。

試合終了間際、小見洋太が抜け出す決定機もあった。だが、ゴール前へのパスが合わず、再びの勝ち越しはならず。今季初の連勝に挑んだ新潟だったが、2-2で引き分け、暫定で順位は6位となった。

攻めるサッカーを貫き、一度は逆転。さらに追加点のチャンスもあっただけに、2ポイントを取りこぼした側面はある。それでもスタイルを崩さず、勝ちを目指した90分はチームのブレーキにはならないはずだ。

中断を挟んで次節は3月30日のホーム、柏戦となる。長倉が今季初ゴールを決め、太田が初出場を果たしたチームは、さらにコンディションを上げ、厚みを増して、次こそ3ポイントに結びつくだけの力を高めていく。

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