ニイガタフットボールプレス

☆☆☆無料記事☆☆☆「てっぺんへのルートは、いろいろある。その上で」【マッチレビュー】~明治安田生命J1リーグ第6節vsジュビロ磐田~

中3日で迎えたゲームは、フィールドプレーヤーの先発10人が入れ替わる大胆なターンオーバーで臨んだ。小さなズレが散見されたものの、何とか新潟のリズムを作り、ゴールを挙げようと奮闘する選手たち。しかし0-0で突入した終盤、立て続けに失点。今季2敗目を喫することになった。

明治安田J1リーグ第6節/ジュビロ磐田 2-0 アルビレックス新潟
■2024年4月3日 19:03キックオフ@ヤマハスタジアム
■得点者/[磐田]ジャーメイン良(75分=PK、79分)、[新潟]なし

■チャンスは作ったが

3連戦の2試合目、中3日で迎えたアウェイ磐田戦に、新潟は前節・柏戦からGK小島亨介以外、フィールドプレーヤー全員の10人が入れ替わる大胆なターンオーバーで臨んだ。センターバックの遠藤凌、右サイドバックの長谷川巧、ボランチの星雄次が今季初出場&初先発で、今季、期限付き移籍していたいわきから復帰した遠藤にとっては、J1デビュー戦にもなった。またルーキーのDF森璃太、MF奥村仁が初めて試合メンバー入りを果たした。チームは4-2-3-1に布陣。キャプテンの堀米悠斗がメンバー外、副キャプテンの秋山裕紀がベンチスタートとなった今節のゲームキャプテンは左サイドバックで先発した早川史哉が務めた。

今季、J1に昇格した磐田は1勝4敗、3連敗中の18位で今節を迎えた。前節・鹿島戦から先発2人が変わり、4-4-2に布陣した。

ボールを求めて1トップの長倉幹樹、トップ下の長谷川元希が代わるがわる落ちてきたところに端的に表れたが、新潟は試合序盤からなかなか前線にボールが入らず、効果的に前進できない。ブロックを組み、中を締めて待ち構える磐田に対して縦パスが入らなかったことに加え、たびたび起こるミスも、リズムをつくり出せない一因となった。

それでもボランチの星、宮本英治がプレッシャーの中でボールを受け、剝がしてつなぐことを繰り返し、次第に攻撃の経路が切り開かれ始める。29分には右サイドを突破したダニーロ・ゴメスの意外性のある左アウトサイドでの折り返しに、長谷川元があと少し詰めれば、という決定機。33分には長谷川元のパスを受けた長倉が縦に仕掛けて左足シュート、35分にはカットインしたダニーロ・ゴメスのパスをゴール正面で受けた小見洋太が鋭い振りの右足シュートで狙い、立て続けにチャンスを迎えた。

磐田は前線のジャーメイン良へのロングボールでのチャンスメーク、さらには新潟のミスでボールを得ると、すばやいカウンターを狙ってきた。新潟のスタイルを考えると、いささか凡庸なミスが多かった点は確実に修正しなければならない。攻め込もうとしながらカウンターを受け、帰陣を繰り返すことで消耗した部分は少なからずあったはずだ。

60分、宮本の縦パスをゴール正面で受けた小見の反転シュート、65分、小見のパスを受けた右サイドバック、長谷川巧の強烈なシュートとゴールに迫った新潟。だが、長らく日本代表のゴールを守ってきたベテランGK川島永嗣に阻まれた。逆に70分には自陣の深い位置で宮本がボールを奪われ、ジャーメイン、途中出場のマテウス・ペイショットに連続でシュートを打たれるピンチを迎えたが、小島が冷静に対応。0-0のまま試合は終盤に突入する。

スコアが動いたのは75分だった。磐田陣内からのロングボールに、ジャーメインをトーマス・デンと挟み込むように対応した遠藤がハンド。与えたPKをジャーメインに決められ、3試合連続で先制を許してしまう。即座の3枚替えで反撃に出たが、逆に前掛かりになったところを突かれ、失点からわずか4分後、またもロングボールからジャーメインに抜け出されて追加点を奪われてしまう。

一気に戦況は厳しくなったが、新潟もあきらめない。85分、2点目を奪われた後に投入された秋山裕紀がクロスバー直撃の惜しいFKを放ち、90分には途中出場の太田修介がゴール前の密集を奥村、谷口海斗との細かいパス交換から仕掛けたが、ゴールネットは揺らせずじまい。0-2で今季2敗目を喫したチームは、11位に後退した。

「登る山を間違えた」(松橋力蔵監督)昨シーズンを踏まえ、「てっぺん」を目指して2024シーズンの戦いは始まった。今季、目指す山を間違えている、あるいは分不相応だとは思わない。頂きに至るルートはさまざまだが、新潟は全員が戦力となってそこにたどり着く覚悟のはず。ならば、ピッチに立つ各人が己の存在を示すために戦い続けるのみだ。「全員が戦力」というのが、決して甘言ではないことを証明するためにも。

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