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☆☆☆無料記事☆☆☆「今季初出場&初先発の御大・千葉和彦が輝いて、1ポイントを積み上げる」【マッチレビュー】~明治安田生命J1リーグ第5節vs柏レイソル~

柏の強度あふれるプレスに対して、新潟もしっかりボールを動かしながら 応戦。攻撃の糸口を探る序盤にセットプレーから失点したものの、チームが崩れて追加点を奪われることはなかった。耐えて流れをたぐり寄せた後半、ベテランの一撃にビッグスワンが沸き上がる。最後まで激しい攻防が続いた試合は、1-1の引き分けに終わった。

明治安田J1リーグ第5節/アルビレックス新潟 1-1 柏レイソル
■2024年3月30日@デンカビッグスワンスタジアム
■得点者/[新潟]千葉和彦(57分)、[柏]木下康介(15分)

■決して悪い入りではなかったが

中断を経て再開されたJ1リーグ戦。4-2-3-1で布陣した新潟は、デンカビッグスワンで柏を迎え撃った。前節から先発が3人変更となり、ベテラン千葉和彦が今季初出場&初先発、太田修介が今季初先発、島田譲が3試合ぶりに先発した。柏は前節・名古屋戦から先発2人が変更となった。千葉と舞行龍ジェームズのセンターバックコンビ、島田と秋山裕紀のボランチコンビからは、しっかりとボールを動かしながら柏の強度の高いプレスを剝がしていく強い意思が感じられた。

試合の立ち上がり、予想通りパワーを持って挑んできた柏が連続CKからゴールに迫ってきた。3分にはショートCKからマテウス・サヴィオが高精度のクロスボールをゴール前に供給。飛び込んできたDF犬飼智也に合わせられる。だが、GK小島亨介が落ち着いてセーブした。4分にはCKの流れでゴール前にできた密集を、木下康介のミドルシュートが抜けてくる。ここも、小島がしっかり押さえた。

柏の圧力は、高く押し上げる最終ラインとコンパクトな陣形から生み出された。攻める糸口を探る新潟で存在感を見せたのが、チーム最年長の千葉である。7分、対角の右サイドハーフ、松田詠太郎にピタリとフィードを合わせると、高木善朗も加わったコンビネーションから右サイドバック、藤原奏哉が一気にペナルティエリア内に進入。マイナスの折り返しに、ファーからフリーで走り込んできた左サイドバック、堀米悠斗が左足を強振する。鋭いシュートがゴールに飛んだが、惜しくも柏DFにブロックされた。

12分のリズミカルで新潟らしい攻撃も、千葉が起点に。秋山、島田のボランチコンビのサポートを得てゆっくりボールを動かしながら、左に張った堀米に浮き球パスを付け、隙あらば前からプレスをはめたい柏をいなす。ここから谷口海斗、太田、高木と絡んでボールが運ばれ、柏ゴールを目指した。

柏のプレスに対応しつつ、自分たちのスタイルを発揮してチャンスを作ろうとする試合の入りは、悪いものではなかった。しかし15分、またもデザインされた柏のCKから、ついに先制を許す。左CKでMサヴィオはペナルティエリア手前でフリーの山田雄士に浮き球を供給。山田のボレーはボールを捉え切ってはいなかったが、CK付近に残っていたMサヴィオへのリターンパスの格好に。そこからMサヴィオに、3分のピンチと同様のゴールに向かって曲がり落ちる危険なボールを蹴られ、木下に押し込まれてしまった。

■ジャンプ一番、ボレーで突き刺す!

失点後はリードした柏の前プレが一段と活発になり、ボールを動かすための時間を与えてもらえない。31分には相手に囲まれた島田がボールを奪われ、細谷真大に抜け出されるが、小島が冷静にセーブ。小島は33分の白井永地、34分のジエゴと続けざまに襲ってくるシュートも止めて、チームの反撃ムードを頼もしく盛り上げていった。

後半になると、新潟の選手たちは相手を背負った状態でも動じることなくボールを受け、レイオフを使いながら打開していく姿勢を鮮明にする。加えて前半の終わりころから柏の猛烈なプレスもひと段落付いた感があり、次第に新潟のビルドアップにも余裕が出てきた。柏も55分、先制ゴールを決めた木下に代えて山本桜大を投入、前プレの強度の維持を図る。

56分、堀米が柏のプレスを観察するように駆け引きしながらボールを持つ。小島に下げられたボールは千葉、舞行龍を経て高木へ。そこから右サイドの裏への配球が、前半には見られなかった松田のスプリントにつながる。松田がディフェンスラインとGKの間に滑り込ませたボールはファーに流れるが、太田が拾って堀米につなぎ、その仕掛けから左CKを得た。

高木のCKはクリアされるが、島田が拾い、ボールは再び高木の下へ。高木が左足で狙い澄ませたボールをファーに送ると、千葉がジャンピングボレーで同点ゴールを突き刺した。

激しい攻防は、さらに続く。新潟が逆転を目指す分、生まれる背後のスペースを柏はスピードとパワーを全開に狙ってくる。新潟も恐れず、攻撃の手を緩めない。交代カードを切りながら勝負に出た両チームだったが、ともに自陣ゴール前での集中が最後まですばらしく、1-1の引き分けで1ポイントを分け合うことになった。

中3日でチームはアウェイの次節・磐田戦に臨む。「全員が戦力」である新潟の強みを最大限に発揮し、3試合ぶりの3ポイントをつかみ取りたい。

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