「川崎フットボールアディクト」

山田新「入って、うれしかったですけど、すぐに悔しさも出てきました」【コラム】

チームを準々決勝進出へと導いた天皇杯高知戦の佐々木旭の決勝点は、その直前の山田新のボレーシュートがあってこそ。決定的に見えたあのボレーシュートについて、山田に改め聞いてみた。

「悔しかったです」

そうポツリと口にして、多くを語ろうとしない山田にさらに質問を重ねた。

「反応と、ミートは良かったので。入ったと思いました」

いつもは淡々と、思っている事を話してくれる選手なだけに意外な反応の薄さだったが、それだけ自分で決めたい気持ちが強かったということなのだろう。

だから、「入って、うれしかったですけど、すぐに悔しさも出てきました」とその瞬間を思い出して「自分が決めて勝ちたかったです」とストライカーの本能をむき出しにしていた。そして、「旭くんに感謝しないといけないし、感謝もしてほしいです(笑)」と周囲を笑わせた。

ここ最近、その山田の佇まいからは点が取れそうな雰囲気が漂い始めている。それは、違う言い方をすれば、もう少し見ていたい選手になりつつあるということ。期待に実績が付いてきた時にプロとして一皮むけるのだろうが、その過程の中でコツコツと練習を続けられる選手なだけに、努力を得点という結果で可視化させてほしいところだ。

(取材・文・写真/江藤高志)

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