「川崎フットボールアディクト」

やり続けることが示した明暗/J1 第14節 vs鳥栖【コラム】

2022年に鳥栖の指揮を取り始めて3年目。5回目の挑戦で初めてフロンターレを倒した川井健太監督は試合後、「僕が就任してからは初めて勝利をしました。ただ、超えたとも思っていませんですし、今日も対峙して、やはり素晴らしいチームだなと思いました。見習う点は本当にたくさんあります」と述べ、フロンターレを持ち上げつつ、成長への貪欲さを見せた。

そして「こういう試合を次に対戦する時もしたいなと思います」と口にして「本当に偉大なチームなので。そのチームに勝ったというところはうれしいです、素直に。ただ、やはりまだまだ追いつかなければいけないなと思わされた試合でもありました」と総括した。

5得点で勝てたのだから率直にすごいとは思うが、川井監督が心から喜べない理由の1つが、得点の形なのかもしれない。

一般的に失点の本質はアラートさの欠如なのかもしれないが、それにしてもフロンターレはアラートさに欠けてしまっていた。

前半の2本のスローインからの失点を筆頭に、失点の一つ一つは、防げたようにも見えた。そのあたり、鬼木達監督も「自分たち次第で防げたところだと思います」としつつ「事前に危ないところというのは、そういうのもチームとして共有していた中でやられていますので。本当にちょっとした隙だと思いますね」と述べている。

また、アラートさの欠如について「一つだけではないと思います。いくつか連鎖してますので。それを断ち切らなければいけない」との認識を示し「その瞬間瞬間で、声で伝えられるところもあるでしょうし。味方を鼓舞して集中力を高められるところもあるでしょうし。これからという時にミスが連発してしまったので。そこは残念に思います」と肩を落とした。

失点は失点として切り替えるしかないが、5バックに変更した終盤の鳥栖を攻め立てた時間帯は、らしさが詰まっていた。いいところはさらに伸ばしてほしいと思う。

ちなみに川井監督はこの勝利が就任後初めての連勝だったとのこと。やり続けることで、川井監督は超えられなかった壁を1つ超えたことになる。

過去、鬼木達監督率いるフロンターレは超えられない壁をいくつも超えてきたチームだ。挑戦し続けることの大事さを身を持って証明してきたチームだ。だからこそ、自壊することだけは避けたい。こういう時だからこそ、下を向かず、何度でも挑戦してほしいと思う。

(取材・文・写真/江藤高志)

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