「川崎フットボールアディクト」

求められるリバウンドメンタリティ。1点を守られて連敗/プレミア2022EAST 第14節 vsアカデミー福島U18【#オフログ】

■初黒星に続き、連敗

川崎U18はアカデミー福島U18に0-1で敗戦。前節の流経大柏高戦で喫した今季初黒星に続く敗戦の結果、初連敗することとなった。

9月11日に有観客で行われたプレミア2022EAST第14節のアカデミー福島U18戦は、立ち上がりにらしくないミスが連発。アカデミー福島の運動量を背景にしたプレスをまともに受けてしまい、試合を難しくしてしまった印象。

「個人としては、全くチームのためにならなかったかなと思います」

そう反省するのは#18由井航太。潔く自分に矢印を向けていたが、付記しておくとこの日はチーム全体にミスが多かったように感じた。前日にトップチームの広島戦を見てしまっていたこともあるのかもしれないが。

試合全体について振り返る由井は「チームとしては2連敗は絶対避けたいなというところだったんですけど、実際してしまって。今シーズン一番悪い試合だったかなと思います」と手厳しかった。

「やっぱり優勝争いをしているので、みんな口には出してなかったですけど、心のどこかではみんな絶対負けちゃいけないっていうプレッシャーがあったのかなと思います」

川崎U18は左右のサイドバック、#22江原叡志と、#29元木湊大を入れ替えて試合に臨んでいたが、これは攻守に特徴のある両選手をどう使うのかのチャレンジの結果だと長橋康弘監督。

「基本、両方とも右利きで、守備に特徴のある選手、攻撃に特徴を持つ選手なんですけど、勝ち点がなかなかつかない中で今まで思っていたところを、ちょっと私の中で変えてみました」

今年はチームスローガンとして「チャレンジ」を掲げていることもあり、長橋監督にとってもチャレンジだったという。

「俺(長橋監督)がトライしたいんだっていうところで、責任は俺が負うぞというところで出てもらいましたけど、なかなかやりづらいところがあったと思うので。かわいそうな思いをさせてしまったかなっていうふうには思うところがありますます」

ちなみにコンバートについては、元木の攻撃力を生かしたいという思いがまずあったという。

「ビルドアップの時とか、ちょっと右肩上がりみたいなところをやっている中で、フィニッシュの前のクロスだったり」を期待していたということ。

その一方で、江原の守備を左サイドで生かしたかったのだという。

「元々元木はすごく特徴のある選手で、どっちかというと、江原はね、本当に堅実な守備に本当に特徴がある選手で、そういったところで特徴があるというところで、私の判断で、やりました」

アカデミー福島は、右サイドハーフ、#10牧田拓樹や、ベンチスタートの#7齋藤晴がストロングポイントで、彼らへの対応の必要性も想定されていたようだ。

■課題はリバウンドメンタリティ

そんな試合は前半10分にPKを決められてアカデミー福島に先制を許す展開に。それ以前から見せていた勝負強さがあれば難なく跳ね返せるのだろうと考えていたが、ミスの多さもあって思いがけず難航。1点が遠い難しい展開となってしまった。

頻発していたミスについて長橋康弘監督は前節の敗戦の影響に言及する。

「やっぱり勝ち点がついてこないと、どうしてもああいうところでミスが出るっていうのは想像は付いていたんですけど、こういう状況になっても、そこだけは失わないようにしていかないといけない」

そして、ひとつの敗戦に左右される技術レベルを反省していた。

「そういった意味では、やっぱりフロンターレらしいサッカーというんですかね。技術的なところを含めた中で、そういったところをちょっとこう影響を受けてしまう、まだ、技術レベルだったなっていう風に思います」

■終盤の猛攻実らず

GKの#21濱﨑知康は、ミスが出ていたということについて、焦りがあったのではないか分析する。

「ミス、いつもはミスがないことが多いですけど。失点して負けてるっていう状態を経験するのがそんな、ないので。焦っちゃうっていう部分は、まだあるのかなっていうように思います」

また、早い時間帯の失点が問題なのではなくて、残り時間で立て直せないことに問題があると鋭かった。

「後半の最後の方に失点するのと、最初に失点するのとでは、最初の方がまだ立て直し効きますし。立て直せれば、もっと良い結果になるのかなって思います」

その濱﨑は、試合終盤の82分に相手#17山崎太湧との1対1をセーブして2失点目を許さず。

「(その1対1を含め)止めることは自分の中で武器だと思っているんですけど、1失点、PKですけど、そこでもちょっと悔しい思いがあるので、次は0で抑えてチームを勝たせられるような選手になりたいと思います」

ちなみにこの試合は#4高井幸大がU19日本代表のラオス遠征に招集されて不在。これまでも同様のケースで起用されることが多く、高井不在を感じさせなかった#13信澤孝亮は、だからこそ勝ちたかったと悔しそうだった。

「自分の中では、高井が来ないときに自分が出る試合が多くて。そこで負けたりすると、やっぱ高井が居ないと、と言われるのは嫌ですし、むしろ、そういうところで、自分が、高井が居なくても信澤がが居るから大丈夫だと思われるぐらいのプレーはしたいと思ってたんですけど。そこにしっかり結果が付いてくるように頑張っていきたいと思います」

なお、その信澤は、85分にはカウンターを止めて逆に#8川口達也の攻撃につなげるが、その川口が入れたクロスは合わず。同点ゴールとはならなかった。

87分のCKの場面では、トリッキーなフォーメーションの結果、#3松長根悠仁がフリーに。しかしレフェリーがプレーを止めてしまいやりなおし。この場面も含め、松長根が同点ゴールを奪えない悔しさを全身で表す場面が何度か見られた。勝利への貪欲さがよく現れていた。

とはいえ結果が全て。試合最終盤の猛攻も実らず、川崎U18は最後まで得点を奪えず、0-1での敗戦となった。

悔しさにピッチにうずくまる川崎U18の選手に加え、出し切って倒れ込むアカデミー福島の選手が印象的な試合後だった。

■年代別日本代表へ

なお、次戦の柏U18戦は、この試合に引き続き不在の高井に加え、U17日本代表に招集された由井と濱﨑の両選手も欠場する。重なる時は重なるもの。留守を守る選手たちの奮戦を期待したい。

・第24回国際ユースサッカーin新潟にU17日本代表として招集の二人のコメント

○濱崎知康
「チームが大変な状況での代表活動は、自分としてはちょっと悔しい、、、チームに貢献できないということがありますけど、そっちはそっちで、代表で、自分も結果を出して、また継続的に代表に呼ばれるように頑張っていきたいです」

○由井航太
「自分が貢献できてたらそうですけど、あんまり今日の試合は、あんまりというか、全く自分が出てない方が良かったと思ってます。心残りはありますけど、、、。あんまりどうこう言える立場にいないのかなと思います。やっぱり切り替えていかなきゃいけないし、自分の出せる全力を100%出してアピールできたらなと思ってます」

最後になるが、敗れた試合後にも関わらず取材をお願いした各選手は丁寧に質問に答えてくれた。礼儀正しい態度だった。

(取材・文・写真/江藤高志)

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