「川崎フットボールアディクト」

4月15日の巡り合わせと、伝わる車屋紳太郎の人柄【コラム】

4月15日のこの蔚山現代戦がケガからの復帰戦で、チームを救う同点ゴールをねじ込んだ車屋紳太郎に聞いてみた。2016年の4月14日と16日に発災した熊本地震に関連して、熊本の皆さんに一言をもらえないかと。中村憲剛さんの現役最後の1年間も運命的なものを感じたが、車屋のこの試合への巡り合わせも運命的だなと感じたからだ。

車屋は地元で試合を見てくれている人たちからの連絡がすごいのだと話し始めた。

「本当にちょうど今、みんなからLINEが来てて。地元の友達、親とかもそうですけど。本当、熊本からでも、こうやって海外で試合してますが見てくれてるんだなと思うと、すごく嬉しいですし。そういう人たちにすごくいいゴールになったじゃないかなと思います」

蔚山から勝ち点1を強奪したそのゴールについて、ラストプレーだとわかっていた中で「GKがボールをこぼしたときには、体が勝手に反応しました。自分らしくないゴールでした」と振り返る車屋。そういう意味で、チーム全員の力があったからこそのゴールだと話す。

「監督も言ってましたが、あれはみんながしっかり圧をかけているからこそ、そうやってこぼれてくるものなので。みんなのおかげかなと思います」

手柄を総取りしても誰も文句言うことはないが、それでもチームメイトに感謝するところに車屋という選手の人柄が現れている。そしてそんな人柄は谷口彰悟のプレーについての言葉でもよくわかった。

「あれは相手が上手かったと思うし。ファールかどうか微妙な判定だったので。あんなの別に悲観する必要はないというか。最後までしっかりと体寄せてましたし。全てがうまくいくわけでもないですし」

ここで「先輩のフォローができてよかったです」と回答しても十分に成立する話なのだが、そこで判定の微妙さに言及し、さらにあの場面では、やれることをやっていた谷口をフォローするのだから人柄というしかない。彼らしい話が聞けた。

ちなみに車屋は、結果としては引き分けであるということを踏まえ「だからこそ、次の試合が大事になるというか、次の試合で何ができるのかが大事だと思うので。すごく難しい試合になると思いますし、それまでにまた準備したいと思います」とすでに次戦を見据えていた。

完全復活に向け、今大会での活躍を期待したい。

(取材・文・写真/江藤高志)

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