「川崎フットボールアディクト」

「ビビりながら」の前半の横浜FMから家長昭博2得点。後半の反撃を無失点でしのぎ、12年以来の等々力開幕戦勝利でシーズンをスタート/J1 第1節 vs横浜FM【レポート】

J1 第1節
2月26日(金)(18:04KICKOFF/等々力/4,868人)
川崎 2 – 0 横浜FM

■3年ぶりの開幕弾

2年連続スコアレスドローだった開幕戦に3年ぶりに得点が決まる。田中碧とのパス交換ののち、ルックアップした脇坂泰斗が前方にパスを送った場面だった。前半21分のことだった。

パスに反応しようとした家長がスピードダウンしたのは、背後から山根視来が飛び出してきたため。トップスピードの山根はジャンプしながらヒールでこれを落とし、家長が迷わず左足を振り抜いた。

家長はこの得点について「練習からやってる形」だと説明したが、それは例えば沖縄合宿7日目に行われていた、ニアゾーンを使っての攻撃練習を指すものと思われる。2列目3列目の選手が次々と前線に飛び込み、連動して崩す練習通りの得点に見えた。

その家長は前半43分には田中からのクロスを頭で合わせている。

「碧が抜け出だした瞬間、良いクロスが上がってくるんじゃないかと思って」と田中碧のクロスに感謝する家長は前半だけで2得点。

自身の2ゴールについて聞かれ「そうですね、あの、2点取れたのは出来すぎだと思いますし、その他のプレーはいたって普通でしたけど、あの点取れたことは良かったです」と返した家長は、得点を喜びつつも「普通でした」と謙遜。その家長の言葉もわからないではなかった。横浜FMが本来の強さを見せていたようにはとても思えなかったからだ。

前半の横浜FMはフロンターレのプレスに追い込まれ、パスミスを連発。レアンドロ・ダミアンが入れるスイッチが効果的に横浜FMを押し込んでいた。あまりに効果的すぎて、オビ・パウエル・オビンナは、蹴って逃げようとしたボールを2度もダミアンに当てるほど。そんな試合は後半に一転。拮抗した試合展開となる。前後半で全く違う表情を見せた横浜FMについては試合後の天野純の言葉からその理由が見えてくる。前半の横浜FMは、フロンターレに対し「リスペクトし過ぎていた」のだと天野が話す。

「本当に個人の意識だと思うので。そこはなんというか、少し川崎をリスペクトしすぎたというか、そういった面、部分は自分自身感じてしまいました」

■ボールを怖がる横浜FM

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